加西北条の住吉神社・酒見寺

住吉神社と酒見寺は同じ敷地に立っています。
塀、堀などで区切られておらず、間に小さな池があり橋でつながっています。

住吉神社から酒見寺を見る

住吉神社

住吉神社はもともとは酒見大明神を祀る神社です。
明治の神仏分離後に住吉神社になりました。

御祭神
・酒見大明神(当地住民の祖先神)
・住吉四神(底筒男神、中筒男神、表筒男神、神功皇后)
・大歳神
・八幡神

養老元年(717)に山酒人という方が中心になり、祖神と住吉四社をお祭りしたのがはじまりです。

社殿は平治の乱、天正の戦火で焼失。池田輝政が再興しました。

安政六年(1859)奉納の絵馬
拝殿横のさざれ石

本社三殿は国の登録有形文化財です。

酒見寺

天平十七年(745)、この地に来た行基が酒見大明神の信託を受け、聖武天皇に奏上して酒見寺を開きました。

平治の乱、天正の戦火で2度焼失。現在の酒見寺は江戸時代に入って再建されました。
秀吉による播州平定の過程で多くの社寺が焼かれています。

楼門 文化八年(1811)の再建
本堂までの参道
両側に二十一対の青銅製の
飾り燈籠が立っています

本堂は元禄二年(1689)の再建です。本堂の隣の鐘楼と梵鐘は兵庫県の指定文化財です。
鐘楼は寛文四年(1664)の建造、梵鐘には貞治三年(1364)の銘があります。
鐘楼はその色使いがあざやかです。

本堂

鐘楼

境内には多宝塔、地蔵堂、観音堂など多くの建物があります。寛文二年(1662)に建立された多宝塔は国の重要文化財に指定されています。

多宝塔

多宝塔は、下の屋根が瓦葺き、上の屋根が檜皮葺きというめずらしい屋根になっています。
色使いもきれいです。安土桃山時代の様式が残っているようです。

地蔵堂は宝暦四年(1754)の建立、観音堂は19世紀中期の建立です。

地蔵堂
観音堂

引聲堂(常行堂)は19世紀前期の建立です。御影堂は17世紀後期の建立で、真言宗を開かれた弘法大師を本尊とするお堂です。

引聲堂(常行堂)
御影堂

多宝塔と鐘楼の極彩色が強烈でした。加西にこういう建物があるのを初めて知りました。