松江市にある八重垣神社におまいりしました。
八重垣神社はヤマタノオロチを退治した素戔嗚尊(スサノオノミコト)と稲田姫をおまつりする
縁結びの神様です。
高天原から出雲の国に降り立った素戔嗚尊は稲田姫を救うため八岐大蛇(ヤマタノオロチ)と対決した。このとき素戔嗚尊は佐久佐女の森(さくさめのもり)に八重垣を作り、姫を隠した。
そして、見事に八岐大蛇を退治した素戔嗚尊は姫の両親(父:脚摩乳、母:手摩乳)の許しを得て、稲田姫と夫婦になられ、佐草の地に宮造りされた。
「八雲立つ 出雲八重垣 妻隠めに 八重垣つくる その八重垣を」という喜びの歌を詠まれ、八重垣の宮となった。
天気の良い日で、多くの人が参拝されていました。
参拝を済ませて、社殿の横を通って奥の院へ進みます。
奥の院はうっそうとした森になっています。ここが素戔嗚尊が稲田姫を隠したという佐久佐女の森です。
うっそうとした森で、巨大な杉が立っています。夫婦杉と言って永遠の愛の象徴とのことです。
この森に素戔嗚尊は八重垣を作ったといいます。
八重垣とは大垣、中垣、万垣、西垣、万定垣、北垣、袖垣、秘弥垣の八つの垣です。
恐ろしい八岐大蛇から姫を隠すためにはしっかりとした囲いが必要で、この森ならその役目を果たしたのでしょう。
道を進んでいくと鏡の池がありました。
この池は稲田姫が隠れたときの飲料水にもなり、お姿をお写しになられた池と伝えられています。
池の反対側には天鏡神社と言って稲田姫命をおまつりする社がありました。
いまではたくさんの人が縁結び占いをする場であります。
池に硬貨を載せた占いの紙を浮かべます。15分以内に沈むと良縁が早く、30分以上かかると円が遅く、近くで沈むと身近な人が、遠くで沈むと遠方の人とご縁があるそうです。
池のふちにたくさんの紙が沈んでいたので、近場の人と縁がある人が多いのではないでしょうか。
八重垣神社はいたるところに夫婦の結びつきを思わせるものがあります。
門前には夫婦椿の木があります。
これは連理玉椿といいます。
昔、稲田姫が2本の椿を地面に立てたら、一つになったという椿です。夫婦の愛の象徴です。
たしかにこの夫婦椿は、根本は2本ですが途中で1本になっています。
境内には他にも2本の夫婦椿があります。
そして、山神神社です。はじめは気が付きませんでしたが、見つけた時はそのものずばりで驚きました。こんなに直接的に表現をしてもよいのかと思いますが、神様のすることなので許すしかないですね。
山神神社は別の場所にあったのが、明治時代に境内に移されたそうです。
夫婦和合、下半身の病に霊験あらたかということです。
素戔嗚尊が詠んだという「八雲立つ 出雲八重垣 妻隠めに 八重垣つくる その八重垣を」の句は日本最古の和歌で結婚の喜びを歌ったものだそうです。
八重垣神社の素戔嗚尊と稲田姫の伝説は、結婚することや夫婦でいることへの素直な喜びを表す明るさを感じさせるものがありました。