尼崎・如来院

尼崎市寺町にある如来院は、天平年間(729〜749年)に行基によって建立されました。もともとは神崎に創建された釈迦堂で、神埼釈迦堂と呼ばれました。

古代から中世にかけて、神埼は港町として栄え、多数の遊女がいました。

そこへ讃岐に流罪となった法然上人が立ち寄りました(承元の法難・承元元年 / 1207年)。
法然上人の教えを聞いた5人の遊女が髪の毛をおろし、念仏を授かり入水しました。
誰にも救いがあると説く法然上人の教えを初めて聞いた遊女は感激し、元元たちも浄土に行けると思って自殺してしまったのではと思います。

讃岐に流罪となった法然上人は讃岐までの旅の途中、各地で教えを説いています。
高砂・十輪寺では殺生の罪を悔いていた漁師夫妻に、室津の浄運寺では遊女に念仏を説き、苦しむ人々を救いました。

法難にあった法然上人はたいへんだったでしょうが、この旅で教えを広めたことは法然上人の人生にドラマチックさを与えたと感じます。