鉄道発祥の駅

新橋から横浜まで開通したのが鉄道の発祥だと思っていました。
でも、じつは新橋より前に品川から横浜までの列車が走っていたようです。
新橋駅のSL広場にある看板によると
・明治5年(1872)6月12日 品川-横浜間が開業
・同年10月14日 新橋-横浜間が開通
と、品川のほうが新橋より4ヶ月早い。
なのに、品川は鉄道発祥の駅と知られていない。

品川から新橋までの間の工事が遅れていたので、品川から横浜を仮開業して、新橋駅が完成して本開業となりました。
10月14日は新橋駅で式典が催され、明治天皇を乗せたお召し列車が横浜まで往復しました。
日本橋から2里離れた品川よりも、江戸(東京)の中心に近い新橋が出発点と考えられるのは仕方がないですね。

でも、品川が最初の駅だ!を示すものがあります。
山手線1番線のホーム中央付近にあるタイルです。

「鉄道発祥の地」と書かれています。「山手線 0 km」の表示もあります。
さらにゴジラです。
太平洋で眠っていたゴジラ。人間の身勝手な放射能実験によって眠りから目覚めます。太平洋を泳ぎ切り、日本に到達。品川から上陸したのでした。
「山手線 0km」は品川駅が山手線の起点だからでした。

品川から新橋へ行ってみました。
新橋駅から約200メートルのところに開業した当時の新橋駅(新橋停車場)を再現した建物があります。
建物の形が再現されただけではなく、この場所に新橋停車場があったそうです。

大正3年(1914)に東京駅ができると、旅客ターミナルの中心が新橋駅から東京駅に移ります。そして、烏森駅が現在の新橋駅となり、旧新橋駅は貨物専用の汐留駅となりました。
その汐留駅も昭和61年(1986)に廃止。跡地が再開発されて現在に至っております。

この建物の裏手に新橋停車場のプラットフォームが再現されています。

新橋から横浜(現在の桜木町駅)まで、距離は29キロメートルです。
それを53分で走りました。
徒歩だと1日かかります。
初めて鉄道に乗った人はすごいなあと思ったのでしょうね。

昔、鉄道の一大拠点だったところがキレイなオフィス群に変わっていて、昔の面影はこの復元遺構にしか残っていません。
現代のダイナミックな変化もすごいと思いました。