東大寺

久しぶりに東大寺観光に行きました。
近鉄奈良駅から東大寺までの道は、鹿と観光客で大混雑です。
鹿もかわいらしいですが、鹿せんべいをねだってきたり、道にふんが落ちてたり、ちょっと獣臭い。ここまで多いと。。。

鹿と観光客をかき分けて進むと、大きな南大門です。
鎌倉時代に重源上人によって建立されました。重源上人が唐からもたらした大仏様という建築技法が取り入れられています。

南大門

仁王様は大迫力です。
作者は運慶と快慶です。さらに湛慶、定覚という仏師が加わっていました(湛慶は運慶の子、定覚は運慶の弟とされる)。
その時代の最高の仏師が集結して造りあげたようです。

次は大仏殿です。
さすがに、この辺りには鹿はいませんでした。
大仏殿は高さが49メートルもある世界最大級の木造建造物です。
初代大仏殿は天平宝字2年(758)、聖武天皇によって建立されました。その後、治承4年(1181)と永禄10年には戦いに巻き込まれて焼失。現在の大仏殿は江戸時代に再建された3代目です。

初代大仏殿 幅86メートル、奥行50メートル、高さ47メートル
二代目大仏殿 幅86メートル、奥行50メートル、高さ46メートル
三代目大仏殿 東西57メートル、南北50メートル、高さ49メートル

奈良時代に今よりも大きな建物が造られていたということに驚きます。

大仏殿

大仏様です。
高さは15メートル。何回見ても大きい。重量は250トンもあります。
今でこそ、銅のさびもあって大仏様は落ち着いた色になっていますが、完成した時はキンキラしていて、光り輝いていたでしょうね。

大仏様

大仏様のお手は、右手は手のひらを前に向け、左手は手のひらを上に向けています。

右手は「恐れなくてもよい」と相手を励まし、左手は「人々の願いをかなえる」ということを表しているそうです。

大仏様のお手

大仏様の脇侍の虚空蔵菩薩坐像(右)、如意輪観音坐像(左)も立派ですね。

虚空蔵菩薩
如意輪観音坐像

大仏様の光背がまた大きい。厚みがすごいです。

如意輪観音様と大仏様の光背

大仏様にお会いしたあと、二月堂の方へ行ってみました。
このあたりになると観光客はぐっと少なくなります。
三昧堂(四月堂)、法華堂(三月堂)、二月堂などがあります。
法華堂(三月堂)の日光菩薩と月光菩薩の像(国宝)を東大寺ミュージアムで拝見させていただきましたが、柔和なお顔をされていました。

三昧堂(四月堂)
法華堂(三月堂)

二月堂を階段の下から見上げると、お水取りのニュースを思い出しました。

毎年3月に行われるお水取りは、正しくは「修二会(しゅにえ)」といい、3月1日から14日まで毎日法要の行事を行っているそうです。
テレビのニュースに出てくるのは籠松明を使う3月12日の行事でした。
修二会の行事は天平勝宝4年(752)から1回の中止もなく続けられ、令和6年(2024)で1273回目とのこと。
戦乱で大仏殿が焼け落ちた時も、修二会は続けられたようです。すごい執念です。

二月堂

二月堂の裏手にある休憩所に入ると、お水取りの松明が展示されていました。
これは籠松明と言って、長さ8メートル、重さ60キログラムもある巨大なものでした。
こんな大きな、しかも燃えている松明を持って回廊を走るのだからたいへんです。よく火事にならないものです。

籠松明

修学旅行や家族旅行で来た東大寺ですが、久しぶりの楽しい観光になりました。