岡山県総社市にある鬼ノ城に行きました。
鬼ノ城は標高400メートルの鬼城山に築かれた古代山城です。
7世紀中ごろ(天智2年/663年)の白村江の戦いに敗れた大和朝廷は、唐の侵攻に備えて各地に城を築きました。
しかし、鬼ノ城は古代の歴史書に登場しないという謎めいた古代山城です。
輪行で姫路から岡山まで移動し、岡山駅からスタートです。
岡山駅から鬼ノ城のふもとの砂川公園まで約18キロメートル。
少し曇りの暑くない天気で、快調なサイクリングでした。
昨夜、鬼ノ城に登る方法をネットで調べました。
すると、最大斜度が20%を超える岡山で最もキツい激坂といいます。
これは絶対に登れない!
公園のどこかに自転車を置いて歩いて登ろうと思ったのですが、公園内はテントを張ってキャンプしている人が多いし、登山道もわからない。
歩くより自転車の方が速いし~~と、走っているうちに、ネットで皆さんがアップしている二股道のところまで来てしまいました。
「道幅が狭いためバスは通れない」の看板で、頂上の鬼ノ城まで3100メートルです。
※ 頂上まで、500メートル毎に「鬼ノ城まであと○○メートル」の看板があります。
3100メートルの看板を過ぎても、傾斜はそんなにキツくなかったので、ズルズルと走ってしまい、なんとなく、ここまで来たから最後まで行ってみようと思い立ってしまいました。
しかし、「あと2000メートル」からがたいへんでした。
とても無理!
すぐにギブアップして自転車を押して上がります。
途中、たくさんの自動車に追い抜かれ、登山の人や、上から降りてくる子供連れに会いました。
たくさんの人が鬼ノ城へ登っているのですね。
「あと500メートル」の看板です。やっとゴールが見えてきました。
この辺はちょっと傾斜も緩やかです。
道の横には鬼の釜という巨大な釜がありました。
桃太郎の登場する鬼のモデルになったという温羅が、気に入らない者を茹でたという釜です。
恐ろしい。
この山には温羅が住んでいたといいます。鬼城山は桃太郎伝説の山ですね。
傾斜が緩いところだけ自転車に乗って、後は押すというへっぽこヒルクライム。
とうとうビジターセンターに到着しました。
ここから鬼ノ城観光です。
鬼ノ城ビジターセンターでは城の歴史や構造、工法が展示されていました。
しっかり学びたい人は訪れる価値があると思います。
西門まで歩いてみました。
途中に角楼という長方形の郭があります。日本の古代山城では鬼ノ城にしかない施設で、古代中国や朝鮮で見られるそうです。
吉備の人々は大陸の文化、情報を得ていたのですね。
城壁の高さは6メートル。幅は下が7メートル、上が6メートルとたいへん大きなものです。
これをよじ登って攻めるのは難しいと思います。
城壁の周りには敷石を敷き詰めた道が造られています。敷石も鬼ノ城にしかなく、朝鮮にも数例しかない珍しいものだそうです。
西門は大きな門です。こんなに高い山にこれほど大きなものを造る技術が7世紀の日本にあったのですね。
屋根に掲げられた絵がユニークです。魔除けになっているのでしょう。
鬼ノ城は城壁が全長2.8キロメートルという広大な山城です。
残念ながら、ヒルクライムの疲れでそんな距離を歩ける力は残っていませんでした。
砂川公園からここまでのヒルクライムの時間は
Googleマップの徒歩で57分。
自転車ナビタイムだと32分。
それに対して我がタイムは48分でした。
ナビタイムよりだいぶ遅いけれど、歩くより9分も早い!
我ながらよく頑張ったと褒めてあげたい。
岡山最悪の激坂であっても、なんとかなったということで、ちょっと自信がつきました。