神戸市北区の道場にある鏑射寺を訪問しました。
鏑射寺のある鏑射山は神体山として数千年の歴史があるといいます。
道場という地名は聖徳太子が仏教を普及させる道場として寺を創建したためであり、聖徳太子が鏑矢を奉納したことから鏑射寺と名付けられたと伝えられています。
聖徳太子との関わりが深く、古くから歴史があるところのようです。
敏達天皇10年(581)に創建されたという寺は、苦難を乗り越えて今の姿になりました。
弘法大師空海が鏑射寺を訪れ、境内に独鈷水の井戸を掘ったと伝えられる。
南北朝時代は南朝方に味方したため戦火にあい、江戸時代は山火事で焼失。
文久2年(1862)、勇阿上人によって再建される。
明治6年(1873)、三田九鬼藩の天誅組に寺を襲われて焼失。廃寺になる。
100年後の昭和30年(1955)、久邇朝融殿下が寺跡を参拝され、寺の再興と国家国民の安寧を祈られる。
昭和40年(1965)、護摩堂が再建される。
昭和48年(1973)、三重塔(虚空蔵菩薩)が建立される。
平成4年(1992)、本堂が再建される。
平成6年(1994)、弁天堂が再建される。
どの建物も新しい感じがしたのですが、近年になって再建されたからでした。
それにしても、よくぞここまで再建されたと思います。
鏑射寺は神戸13仏の虚空蔵菩薩の寺で、三重塔には空蔵菩薩がまつられています。
三重塔の脇に赤い鳥居が並んだ参道が山の上の方へと続いています。
上に何があるのだろうかと思い、登ってみました。
かなり上まで登りました。
すると、最後に現れたのは小さな石のほこらに収められた丸い石。
これが鏑射大権現でした。
この丸い石に神様が宿られているのでしょう。
境内には池や西国三十三ヵ所霊場、新西国三十三ヵ所霊場、四国八十八カ所霊場がありました。
また、大賀ハスといって昭和26年に大賀博士が千葉市にある縄文遺跡の発掘現場で発見した世界最古のハスの種子から発芽したハスが植えられていました。
2000年以上も前のタネが花を咲かすなんて。その生命力には驚きです。
池に近寄ると鯉たちが集まってきました。
餌をくれると思ったのでしょう。口をパクパク開けてすごい迫力でした。
間違って池に落ちたら、食われてしまうのではないだろうかと思いました。
鯉たちの生命力もすごい。
昭和になってよみがえった鏑射寺も生命力豊かに発展していくことを願いたいと思います。