三田散策

山電で三田まで輪行して、鏑射寺、花山院菩提寺、三田城跡、心月院とサイクリングで見て回りました。
輪行ルート
 山陽姫路 → 新開地 → 神戸電鉄に乗り換え → 神鉄道場(鏑射寺の最寄り駅)
今回は少し早く着く山陽電車を利用しましたが、姫路から神鉄道場まで1時間半かかりました。
それと、新開地での乗り換えはエスカレーター無し、エレベーター無しだったので、輪行袋に入れた自転車がずっしりと重かった。
それでも、車内は空いていて輪行するのに問題はありませんでした。

神戸電鉄社内

神鉄道場駅で下車して、さっそく組み立てです。
今回は横型輪行袋を使ったので、組み立ては簡単にできました。エンド金具を触らなくても良い分だけ横型のほうが縦型より工数が少ないです。

神鉄道場駅

神鉄道場から鏑射寺までは約5キロメートル。
これだけ走るのだったら、福知山線経由でJR道場駅で下車しても良かったかもしれません。
ちなみに、神鉄道場駅と鏑射寺は神戸市北区です。

鏑射寺

鏑射寺への急な坂をヒーヒー言って登ります。当然途中でギブアップ。自転車を押しました。
これぐらいの坂を登れるようになればうれしいのですが。

鏑射寺

鏑射寺は聖徳太子が創建したという歴史あるお寺です。
さらに、この鏑射山は山自体が御神体とされ、数千年間信仰されてきたといいます。
三重塔の脇にある階段を登っていくと、その先には鏑射大権現がおまつりされていました。

鏑射大権現

花山院菩提寺

次は花山院菩提寺へ移動します。
ここから約13キロメートルです。
花山院菩提寺も山の上にあって、寺へ続く道はかなり急な坂です。
ここは最初から自転車はギブアップして、歩いて登りました。坂が急なので歩いて登るのもたいへんです。
この坂道は琴弾坂と言います。
藤原氏にだまされる形で天皇の座から降ろされて法皇となった花山法皇。花山法皇がここにいることを知った女官11名が、花山法皇最愛の藤原忯子の位牌を持ってこの地までやってきたけれど、女人禁制の寺に入ることはできず、ふもとの村に住みつき、山上の花山法皇を慰めるために琴を爪弾いたというエピソードから名付けられました。
山のふもとには「十二妃の墓」という五輪塔と11基の石塔があり、藤原忯子と11人の女官の墓と伝えられています。

十二妃の墓

花山院菩提寺は花山法皇をおまつりしているお寺で、インドから雲に乗ってやってきたという法道仙人によって白雉2年(651)に開山されたと伝えられています。

花山院菩提寺

境内には花山法皇の廟所があります。
寛弘5年(1008)に41歳の若さで崩御されました。

花山法皇廟所

花山法皇は天皇在位わずか2年で、政治的には特筆すべき点はないと思います。
しかし、今に続く文化を残してくれました。西国33ヶ所巡礼です。
長谷寺を開山した徳道上人が33箇所の観音霊場を開いたものの、いつしか途絶えていましたが、花山法皇が霊場巡りを行い復活させました。これが現在も続いています。
花山法皇に感謝しないといけないですね。

三田城跡

三田小学校の校門前に三田城跡の碑があります。
江戸時代、寛永10年(1633)より九鬼家が三田を治めました。九鬼家といえば戦国時代に水軍として活躍しましたが、海のない三田に転封されていました。

三田城跡の碑

江戸幕府は九鬼水軍の力を恐れたのかもしれません。九鬼家は三田御池で海戦の訓練をしたそうです。

三田御池

三田城跡の碑のそばには川本幸民顕彰碑があります。
川本幸民という人物のことは知りませんでした。説明板によると、江戸時代末期の蘭学者・医者でマッチ、写真機などを試作し、日本人として初めてビールの醸造に成功、ケミストリーという単語を表す「化学」という言葉を作ったという、日本科学の祖と言われる偉大な化学者でした。

川本幸民顕彰碑

三田城跡の碑を過ぎて少し進むと旧九鬼家住宅資料館です。擬洋風建築という建物で2階のベランダ部分が洋風です。

旧九鬼家住宅資料館

心月院

九鬼家の菩提寺であった心月院を訪問しました。
ここには三田九鬼家藩主と白洲次郎・正子夫妻の墓がありました。

心月院

織田信長や豊臣秀吉と共に戦った九鬼嘉隆は関ヶ原の戦いで西軍に与しましたが、息子の守隆は東軍として戦い、初代鳥羽藩主となります。
しかし、家督争いが勃発。九鬼家は三田に移され、心月院が九鬼家の菩提寺になりました。

九鬼家墓所

白州家は三田藩に仕えた儒学者の家系で、白洲次郎の祖父・退蔵は三田藩大参事として活躍しました。
三田をルーツに持つ白州家の墓地は心月院にあり、白洲次郎・正子の墓も並んでいます。
白洲次郎はそのイメージから東京の人だと思っていたのですが、三田と縁があるとは思ってもいませんでした。

白洲次郎・正子の墓

最後に、輪行して姫路に帰るので、汗びっしょりのまま電車に乗るのは周りの人の迷惑になるので「しんち湯」という銭湯へ行きました。
昭和レトロな銭湯で、料金は490円でした。汗を流してさっぱりできました。

しんち湯