赤坂氷川神社

東京十社の一つ、赤坂氷川神社を訪問しました。
創建は天曆5年(951)という古い神社です。
蓮林僧正が一ッ木村(現赤坂 四丁目付近)で一夜を明かしたとき、御祭神の夢を見、この地に氷川明神の社殿を建てたのが起源といいます。
創建から100年後に大干ばつに襲われたときに、苦しむ農民たちが雨乞いをするとたちまち雨を降らせたため、神事が行われるようになったそうです。

関東を中心に約280社の氷川神社があり、氷川神の信仰が広がっていたようです。氷川神社の総本社はさいたま市の氷川神社で、第5代天皇である孝昭天皇の御代に創建されたといいます。氷川神への信仰が古くからあったことを伺わせます。

赤坂氷川神社の御祭神は素盞嗚尊、奇稲田姫、大己貴命(大国主命)の三柱です。
もとは蓮林僧正が夢見た一ッ木村にありましたが、享保15年(1730)に現在地に遷座されました。
社殿は徳川吉宗公によって造営され、戦争でも焼けずに建立当時のまま残っています。

境内にある山車展示場には4台の江戸型山車が展示されていました。ここ氷川神社では、「江戸の祭りの華」は山車だそうです。「徳川将軍の上覧に際し、江戸城の城門をくぐるために人形がからくりで上下するのが特徴」と説明されていたので、祭りのときは江戸城内にも入っていったのでしょう。
祭りの華は神輿だと思っていたのですが、違うようです。

境内のひときわ大きな木は樹齢450年という大銀杏です。
すっかり黄色くなって、地面も黄色の絨毯になっていました。
樹齢450年なので江戸幕府ができる以前から生息していたと考えられます。
氷川神社がこの地に移る前は、忠臣蔵の浅野内匠頭長矩の正室・瑶泉院の実家である三次藩浅野家の下屋敷がここにあったそうです。
刃傷事件の後、瑶泉院は実機に引き取られたというので、この木はその日のことを見ているかもしれません。