阿倍王子神社と安倍晴明神社

阿倍王子神社と安倍晴明神社を訪問しました。
阿倍王子神社は仁徳天皇によって創建されたとも、阿倍野を拠点とした阿部氏によって創建されたとも伝わる神社で、陰陽師・安倍晴明誕生の地という安倍晴明神社は阿倍王子神社の摂社となります。

阿倍王子神社

ご祭神は伊弉諾尊、伊弉冉尊、素戔嗚尊、品陀別尊の四柱です。
鳥居をくぐり、2階建ての社務所を通り抜けていくと拝殿に到着します。
きれいな神社でした。たくさんの参詣者が来られていました。

阿倍王子神社には摂州東成郡阿倍権現縁記(せっしゅうひがしなりぐんあべごんげんえんぎ)という縁起絵巻が伝わっています。
そこには仁徳天皇による創建の話があるのですが、八咫烏が活躍します。
境内には御烏社があり、八咫烏大神がまつられていました。
リアルな黒い八咫烏がこちらを見つめています。

細長い境内には巨大な木が4本立っていて、それぞれ波多能木霊神(はたのこだまのかみ)、茂杜能木霊神(もりのこだまのかみ)、多摩能木霊神(たまのこだまのかみ)、汰紀能木霊神(たきのこだまのかみ)と名がつけられています。
境内の木には神様が宿っているのですね。

阿倍王子神社の前の道は昔の熊野街道のようです。
京都から熊野まで続く熊野街道には99の王子(旅の休憩所もしくは宿泊所のようなものか)があり、阿倍王子神社はその第二王子社であったようです。

安倍晴明神社

阿倍王子神社から50メートルほど離れたところに安倍晴明をおまつりする安倍晴明神社があります。
創建は安倍晴明が亡くなってから2年後の寛弘4年(1007)です。
陰陽師として知られる安倍晴明ですが、陰陽道は魔術ではなく、星の位置や動きを見て予知をする最先端の科学だったと思います。

境内には鎮石(孕み石)、「安倍晴明誕生の地」碑、安倍晴明公産湯井の跡、安倍晴明公の像など安倍晴明にまつわるものがありました。

晴明公の横にある狐がひっくり返ったような像は「葛之葉霊狐の飛来像」です。
安倍晴明の母は狐であったとされ、助けてくれた安倍晴明の父・安部保名のもとへ信田の森から飛来する姿をイメージしているそうです。
安倍晴明の力が強かったのは霊狐の母・葛の葉から受け継いだものがあったからですね。