阪神タイガースの聖地・大江神社

大江神社は愛染堂勝鬘院のお隣にある神社です。
全く予備知識がないまま立ち寄ったのですが、調べるといろいろな歴史に彩られた神社でした。

  • 大江神社は聖徳太子が四天王寺を創建したときに、外護として建立された七宮のうちの一つである。
  • ※四天王寺七宮:大江神社、久保神社、河堀稲生神社、堀越神社、小儀神社、上之宮神社、土塔神社。大江神社には小儀神社、上之宮神社、土塔神社が合祀されている。
  • 慶応3年(1867)の神仏分離の際、大江岸に続く社地だったので大江神社と改めた。
  • 天王寺北村の産土神の豊受大神と小儀神社、上之宮神社、土塔神社のご祭神の素戔嗚尊、欽明天皇、大己貴命、少彦名命をおまつりしている。
  • 神仏混淆の時代には毘沙門天をおまつりしていた。
  • 太平洋戦争の大阪大空襲で社殿は焼失し、昭和38年(1963)に拝殿や本殿が再建された。
  • 阪神タイガースの聖地でもある。

境内奥に進むと鳥居があります。でも、その向こうには何もありません。柵の前に狛犬がいるだけです。
手前の狛犬と比べると色が白く、新しく作られたような感じの狛犬です。

その向こうの柵にはいろいろと張り紙があって、「大江神社は大阪一番のパワースポット」とも書かれています。バット型のメガホンがつるされています。
阪神タイガースの写真が貼られている。

ここは阪神タイガースの聖地でした。
そして、狛犬と思っていたものは狛犬ならぬ狛虎でした。
狛虎のことを調べると次のエピソードがわかりました。

境内奥に鎮座する狛虎は江戸時代に祀られていた毘沙門天の守護である。
明治の神仏分離で「吽形」が滋賀に移され、残った「阿形」も大阪大空襲で焼夷弾を受け、耳がとれ歯も欠けてしまっていた。
平成15年8月(2003年)、地元有志が「狛虎を一対にしたら優勝するのでは」と「吽形」の狛虎をつくった。
するとその年、阪神タイガースは18年ぶりに優勝した。

2003年の優勝監督は星野仙一氏。この年のタイガースは圧倒的な強さで、2位の中日ドラゴンズに対し14.5ゲーム差をつけ9月15日に優勝しました。
狛虎が新調されたおかげでしょうか。

2023年のシーズンは日本一に輝きましたが、昨年は惜しくも2位で終わりました。
今年は優勝して欲しいです。

大江神社が御鎮座されている夕陽丘は、昔は難波の海がその崖下まで迫っていました。
大阪市のホームページによると、夕陽丘は天王寺村当時の小字名である夕陽山に由来しており、歌人・藤原家隆が詠んだ「契あれば難波の里にやどりきて波の入日をおがみつるかな」の入日(夕陽)に因んでいるそうです。

この絵馬堂から見る、海へ沈む夕日はきれいだったでしょう。

西方に沈んでいく夕陽を見つめて、極楽浄土を思い浮かべることは日想観という仏教の修行の一つだそうです。
四天王寺では彼岸の中日に日想観の行事が行われています。
昔と今では地形が全く変わってしまっているので、昔見ることができた光景は想像するしかありません。
そのうちに、AIによってデジタルで再現されて、VRなんかで見られるようになるのかな。