アワイチの途中、沼島に渡りました。
土生港を13時50分の船で沼島に渡り、15時50分沼島発の船で帰ってきました。
土生港と沼島の間は船で10分ほどのため、沼島には約2時間滞在できました。


意外と多くの観光客が船に乗り合わせていました。船に自転車を乗せることができるようですが、沼島は坂が多いので自転車を乗せるメリットはあまりないと思います。
今回は土生港に自転車を置いて、徒歩で沼島を散策しました。

神宮寺
元慶4年(880)に創建されたという古いお寺です。梶原一族の菩提寺だそうです。

沼島八幡神社
永享8年(1436)に梶原景俊によって創建されました。沼島八幡神社は高台にあり、神門までは42段の男坂、そこから拝殿までは33段の女坂が続いており、アワイチで走ってきた脚には厳しいものでした。

沼島八幡神社から、海と向こうの淡路島がきれいに見えました。

おのころ神社
本当にこの道で正しいのだろうかと不安になるような小道を登っていくと、古い神社がひっそり佇んでいました。

国生みをしたイザナギ、イザナミをお祀りするおのころ神社です。天沼矛(あめのぬぼこ)を持ったイザナギとイザナミの像がありました。そばには八百万神社まで鎮座しています。
おのころ神社と八百万神社の組み合わせは南あわじ市のおのころ島神社と同じです。

続いて島の反対側(和歌山側)にある上立神岩へ向かいました。
途中に、梶原景時の墓とされている五輪塔がありました。
梶原景時の墓
五輪塔には松香石という、こすると松の匂いのする石が使われていて、この墓が作られたのは鎌倉時代前期と考えられています。
沼島に存在した沼島水軍を率いていたのが梶原氏で、梶原景時の子孫を名乗っていました。
神宮寺が梶原氏の菩提寺であり、梶原氏によって沼島八幡神社が創建されたということから、梶原氏は沼島で大きな力を持っていたようですね。

おのころ島(沼島)1億3000万年の旅
上立神岩へ向かう道沿いに「おのころ島(沼島)1億3000万年の旅・奇跡の旅」という説明板がありました。
沼島が中央構造線という大きな断層上にあり、沼島で発見された「さや型褶曲」がどうして生まれたかということが、138.2億年前のビッグバンから始まり、約46億年前、約44億年前、約40億年前、1億年前、現在の日本列島が形成されるまでのスケールの大きい歴史が迫力のある図と詳しい文章で説明されています。
「さや型褶曲」は大地にかかる圧力と地質の諸条件により、地層の一部分がさや状に突出して出来た褶曲のことで、「1億年前の地球のしわ」とも言われます。これは沼島以外にフランスで一ヶ所発見されているだけで、世界的にも貴重な発見だそうです。
大変勉強になりました。

上立神岩
上立神岩は海の上にすっくと立っていました。
先が尖った美しい形は、神様を感じさせます。
以前は下立神岩も同じように大きかったそうですが、室戸台風(昭和9年/1934年)で上半分が崩落したそうです。自然の力がすごいですね。
今も立っている上立神岩も、神代の時代には違った姿だったかもしれない、と思いました。

沼島は小さい島ながらも観光スポットが多く楽しめました。
また、船着き場では、お父さんと二人連れの子供が、自慢するように大きな魚を見せてくれ、釣りが好きな人にとっても魅力的な場所のようでした。