大阪市立美術館・日本国宝展

先日、大阪市立美術館で開催されている日本国宝展に行ってきました。
国宝を集めた企画展というだけあって、10時過ぎには当日券売り場に長蛇の列ができていましたが、列の進みは比較的早く、30分ほどで入場できました。

会場は3つのエリアに分かれており、それぞれテーマ別に展示されています。
第1会場のテーマは「日本美術の巨匠たち」「いにしえ文化きらきらし」「祈りのかたち」。第2会場は「サムライアート」「優雅なる日本の書」「大阪ゆかりの国宝」です。私のお目当てである金印は第3会場に展示されていました。

「いにしえの文化きらきらし」では、「縄文火焔型土器」を見ることができました。
教科書でも見たことがある土器ですが、思ったよりも小さく感じました。
うねうねした独特の模様と、縁にある炎のような突起が印象的です。情熱的な造形ですが、突起に施された模様や穴はすべての突起に共通しており、決して適当に作られたわけではなく、規則性がありました。
それにしても、この土器を作った人はどのような発想からこの形を思いついたのでしょうか。 また、何に使われていたのでしょうか。鑑賞するには良いですが、物を出し入れするには少し不便そうです。

「優雅なる日本の書」では、古今和歌集が展示されており、ひらがなの優美さを見ることができます。
きれいだなと思っていたら、私の前を歩いていたおじいさんが、展示されている文字を読み始めたのです。
驚きました。
1000年以上も前に書かれた文字を、現代の人が読める。なんだか感動しました。

後鳥羽上皇が崩御される13日前に書かれたという「後鳥羽天皇宸翰御手印置文」には後鳥羽上皇の両手の赤い手形が押されていました。
10本の指がはっきり見て取れ、大きい手だと感じました。力強い印象を受けます。その手形を見ていると、思わず自分の手を広げてしまいました。他にも同じようなことをしている人がいました。多くの人がこの御手印の前で、同じように手を広げたのではないでしょうか。
赤い手形には迫力を感じました。

「薬師寺東塔の水煙」は、展示物で唯一写真撮影が許可されていました。「笛吹き童子」などの姿をはっきり見ることができます。薬師寺東塔の高さは約34メートルもあります。クレーンなどのない時代に、これほど大きいものを持ち上げるのは大変な作業だったでしょう。

そして、いよいよ最後の展示、金印「漢委奴国王」です。
実物の金印は、想像したよりずっと小さく感じました。しかし、考えてみれば、印鑑なのでそれほど大きくはないはずですね
金色の輝きは鮮やかでした。金の純度が高いそうです。
これが金印かと、感慨深く見ることができて満足できました。