
四天王寺南大門から南へ200メートルのところにある四天王寺庚申堂は、日本で初めて庚申尊が出現した地とされており、次の由来が伝えられています。
今から1300年前、文武天皇の時代に疫病が流行しました。
人々は薬や高僧の祈りに頼りましたが、全く効果がありませんでした。このとき、四天王寺の僧侶である毫範(ごうはん)もまた、人々の苦しみを救うべく、祈りをささげていました。
すると、大宝元年(701)正月七日、帝釈天の使いである青面金剛童子が現れ、除災無病の法を示しました。
このおかげで、人々は苦しみから救われました。
これ以来、青面金剛童子をお祀りするようになりました。
庚申堂でいただいた紙には庚申参りの説明と令和7年の庚申参りの日が書かれていました。
庚申参りは60日ごとに巡ってくる庚申の日に行います。
庚申参り
庚申碑のご祈祷を行い、無病長生を祈る行事。ご本尊の青面金剛童子は、恐ろしい姿で疫病から人々を守護し邪悪を追い払うとされています。
庚申参りの日
2月19日・20日、4月20日・21日、6月19日・20日、8月18日・19日、10月17日・18日、12月16日・17日。
堂内でお祈りしていたら、お坊さんが入ってきてお経をあげてくれました。途中から大鼓をたたき出します。よく通る声とリズミカルな太鼓の音は迫力があり、すごい技だと思いながら聞きました。

庚申堂の建物は、前回の大阪万博(昭和45年/1970年)で全日本仏教会が休憩所として建造した「法輪閣」という建物を移築したものでした。
今回の大阪万博でも、万博終了後に建物の再利用が行われるのでしょうか。
境内には「見ざる・言わざる・聞かざる」の三猿堂があります。庚申の日に願いをすると叶うといわれています。

庚申参りは関東で盛んだと思っていたので、大阪の四天王寺が日本最初の庚申尊出現の地だとは思いもよりませんでした。
実際に訪れてみると新たな発見がありますね。