小豆島の小瀬という場所に「重岩(かさねいわ)」という巨石があります。大きな岩が小さい岩の上に重なっている神秘的なパワースポットです。
小豆島一周サイクリングのマメイチの途中、寄り道をして重岩を見に行きました。
土庄からは約7キロ。重岩がある山のふもとまでは快調に走れましたが、山に入ると急坂が続きました。自転車を押して、なんとか上がると、山上はちょっとした広場になっていて、駐車場がありました。道は狭いものの、自動車で上がってくることもできるようです。
小豆島はいろいろな場所に大阪城に使った石を採取する石切場が点在しているのですが、ここは熊本の加藤藩の石切場でした。「こんな高いところにも石切場があるのか。どうやって、ここから石を海まで運んだのだろう?」と思わずにはいられませんでした。

ベンチに座って休憩していたら、 石段を下りてきた女性に、 「この先の階段はきついですよ。 がんばってください」 と声を掛けられました。
奥には石段が見えていて、ここからは階段を登るようです。

ここまで来るだけでも疲れたのに。 大丈夫かと不安になります。
いよいよ石段を上がり始めたら、下から352段の表示が。

足ががくがくします。「もうやめようか」という思いが心をよぎります。
しかし、「ここでやめてしまったら、 今までのがんばりがすべてムダになる」と考え直し、ようやく石段を上がりきりました。

石段の上には小さな祠がありました。
しかし、重岩に到着したわけではありません。
ここからはロープやチェーンが張られた登山道を登らなければいけません。チェーンの向こうは崖で、 落ちるとただでは済まない危険を感じます。砂地で段差の大きい急坂を、チェーンをしっかり握り、 滑り落ちないように登りました。

頂上に着くと巨大な岩が見えてきます。本当に、下の岩より大きい岩が上にのっている。

信じられない光景です。これがご神体とされているのも納得できました。
人為的に重ねたのか、それとも自然にできたものなのか、未だに解明されていないそうです。
岩の両側は急斜面なので、人の手でこの岩を置くのは不可能に思えました。

それにしても、ここは瀬戸内海が見える絶景ポイントでした。

しばらく見物して、下山しました。 ずるずると落ちそうになるところをチェーンにつかまって、おそるおそる降ります。
もとの駐車場にようやく到着すると、新たにやってきた自動車が止まっていました。重岩は人気があるようです。
体はくたくたになりましたが、それ以上に忘れられない思い出が残る場所になりました。