姫路市飾磨区英賀宮町にある英賀神社の秋祭りが、今年も開催されました。
今年は、神輿が御旅所に渡御する25年に一度の例大祭。菅公1125年大祭でもありました。

朝、英賀神社に宮入した屋台から、屋根の上の擬宝珠(ぎぼし)と露盤(ろばん)が取り外され、神社前のテーブルにずらりと並べられていました。
こんな間近で擬宝珠や露盤を見るのは初めてです。本当に精巧にできています。
そして、四面それぞれに物語があります。例えば、「宮町西」の場合は、正面が英賀神社のご祭神の『英賀彦神と英賀姫神』、背面は『牛乗り天神(菅原道真公)』、右面は『神功皇后と誉田別皇子(ほんだわけおうじ・応神天皇)』、左面には『天児屋根命と磐長姫』です。
神話の話や戦場で活躍した武将の話などがモチーフになっています。

御旅所(英賀城跡公園)への渡御が始まりました。
神官を先頭に、3台の神輿が出てきます。
神輿の前には、英賀神社のご祭神である英賀彦大神、英賀姫大神、天満大神の幟(のぼり)が掲げられています。

先頭のみこしを担ぐのは、今年厄年の男性たちです。
第二神輿には「元禄八年」(1695年)の文字が残されていたということで、姫路で最も古い神輿である可能性があるそうです。
松尾芭蕉が亡くなったのは1694年。その翌年に作られたと考えると、今まで残ってきたのは奇跡ですね。

続いて、だんじりや屋台が御旅所へと繰り出します。
だんじりは小さい子どもたちに引かれ、屋台は神門をくぐって出ていきました。

御旅所では神事が行われます。

ズラッと並んだ屋台は壮観です。
英賀神社では18台の屋台と2台のだんじりが繰り出されます。

午後には「英賀」の獅子舞の奉納がありました。きれいな着物を着たかわいらしい子どもたちが一生懸命踊ります。
周りで見ている保護者の方々も、熱い視線を送っていました。

すると、子どもが乗った竹を担いだ一団が入ってきました。
梯子獅子を奉納する「高町」の氏子たちです。
子どもたちは赤や日の丸の扇子を持ち、竹に乗っています。
竹の間には横木はなく、男たちが担ぐ丸竹の上に直接乗っているのです。上手くバランスを取っています。

梯子獅子には驚かされました。
子どもたちが乗ってきた竹を使って、獅子舞を披露するのです。下には分厚いマットが敷かれていましたが、命綱などはありません。
演じている子どもたちの親御さんは、さぞ心配だったことでしょう。でも、子どもたちは無事にやり遂げました。
拍手が沸き起こります。
また、獅子役には女の子も混じっていました。

夕方、屋台に電飾が灯り、練り合わせが始まりました。
このときを待っていた男たちのすごい熱気です。

浜の宮天満宮や恵美酒宮天満神社、灘、魚吹八幡神社など、姫路市にはさまざまな秋祭りがあります。
どこも播州型と呼ばれる屋台ですが、細部は異なり、祭りのやり方もそれぞれ違います。
各地域が長い年月をかけて、独自の祭りの形を築いてきたのだと感じました。
維持・運営はたいへんでしょうが、どの祭りも、末永く続いていくことを願っています。
















