鳥取県若桜町・不動院岩屋堂

日本三大投入堂の一つとされる、鳥取県若桜町の不動院岩屋堂を訪れました。

岩屋堂の前を流れる吉川川の向こうから、木の陰に小さなお堂が建っているのが見えます。有名な三朝町の三佛寺投入堂は険しい山道を登ること自体が修行のようですが、それに比べると、この岩屋堂は「近くにあるんだ」と思いました。

吉川川を渡ると、岩屋堂へと続く参道、岩屋神社、休憩所があります。
岩屋堂の前の説明板には以下のような由緒が記されていました。

  • 飛騨の匠が「国家安全」の祈願所を探す中で、この洞窟を発見し、大同元年(806)に創建されたと伝わっている。
  • 御本尊の不動明王は弘法大師が自ら彫刻して、安置したものである。
  • 弘仁10年(819)に「神光」という修行僧が妙見山神光寺を創建した。
  • 建久3年(1192)、源頼朝が岩屋堂を再建した。
  • 羽柴秀吉の因幡攻めの際に、妙見山神光寺は焼失し、岩屋堂だけが残った。
  • 昭和30年から32年にかけて解体修理が行われた。
  • 現在の建物は南北朝時代に建てられたと考えられている。
岩屋堂の前の説明板より要約

お堂は岩のくぼみにすっぽりと収まっています。しかも「懸造」になっています。
これを建てるには、高度な技術が求められたのではないかと思います。宗教経の深い信仰心が、この困難な建築を可能にしたのでしょう。

岩屋堂への石段には柵があって、上がることはできませんでした。
しかし、毎年3月28日と7月28日に行われる護摩法要では、岩屋堂の内部に入ることができ、御本尊の不動明王坐像も公開されるそうです。

※日本三大投入堂
・不動院岩屋堂
・鳥取県三朝町の三徳山三佛寺の奥院(投入堂)
・大分県の龍岩寺奥院礼堂