比金山如意寺

如意寺は神戸十三仏霊場の「三人寄れば文殊の知恵」の文殊菩薩のお寺です。
開基は法道仙人。大化元年(645)に開かれました。
櫨谷に飛来してきた法道仙人は、毘沙門天の命により櫨の地蔵菩薩を造立します。
後に孝謙天皇の勅願寺と定められ、平安時代には慈覚大師円仁によって文殊堂、常行堂が造られました。

県道52号線に如意寺の看板が出ているので、そこから山の方へ入っていきます。
少し行くと仁王門があります。


仁王門も仁王像も鎌倉時代の作で、仁王像は木造ではなく塑像です。

仁王像は迫力がありました。

山門からは5分程度で如意寺に到着しました。

お寺の入口にある看板には、「如意寺は千年前(10世紀頃)、願西上人によって開かれ、12世紀頃に寺観が整えられた」と説明されていました。開基は法道仙人ということなので、願西上人によって、お寺が大きくなったのだと思いました。

現在、三重塔、文殊堂、常行堂が国の重要文化財に指定されています。

石段を登って境内に入ると、三重塔が目に入りました。

三重塔は南北朝時代の至徳2年(1385)に建立されました。

三層の各階には大日、釈迦、多宝如来が安置され、法華経と密教思想の融合をあらわしているそうです。

文殊堂は応永13年(1406)以降の建立と考えられています。

文殊菩薩がお祀りされています。

常行堂は常行三昧という天台宗の重要な修業のためのお堂です。

常行堂は院政末期(12世紀末〜13世紀はじめ)に建てられた、神戸市最古の建物です。
阿弥陀如来が本尊で、建物と同じ時代に造られたものだそうです。

本堂は天保13年(1842)に焼失。
幕末に再建されましたが、戦後解体されたそうです。

今は本堂の礎石が残っています。

寺内は静寂に包まれ、紅葉しかけた木々と三重塔、常行堂、文殊堂の建物のコラボレーションが美しかった。