犬寺・法楽寺

法楽寺は犬寺として有名な播磨西国三十三箇所の十五番札所です。
創建は7世紀。法道仙人が開基したとされています。

法楽寺への橋
橋を渡ったところにある法楽寺の碑

山門には仁王様がおられます。
山門は18世紀中期に建造された楼門入母屋造りで、神河町文化財に指定されています。

口を開いた阿形(あぎよう)
口を結んだ吽形(うんぎょう)


山門をくぐると石段があらわれます。
約250段もあります。
姫路からサイクリングできているので、厳しい段数でした。
何回か休憩して登りました。
裏道を使えば車でも登っていけるようです。

やっとの思いで、階段を登りきると本堂が見えてきます。

播州犬寺ということなので、犬がいっぱいいるのかと思っていましたが、本堂への階段を登ったところに、階段の両側に白犬と黒犬の像があっただけでした。

しかし、この2頭の犬はピンチに陥った牧夫長者を救った犬でした。

白犬
黒犬 弓を咥えている

白犬が牧夫長者を殺そうとした下僕の喉に噛みつき、黒犬が下僕が持っていた弓を噛みちぎったのでしょう。

鐘楼は18世紀前期に建造されたもので、神河町文化財に指定されています。鐘楼は鐘は慶長九年(1604)に鋳造されたもので、大きさは高さ 124 cm、直径 72 cm。神崎郡内で最も古いとされています。

鐘楼

本堂は享保14年(1729)に建立された建物で、兵庫県文化財に指定されています。
斜めから本堂を見ると、屋根の形がきれいです。

本堂

開山堂は堂内に法道仙人、牧夫長者と二頭の犬の像が収められているそうです。
17世紀後期の建立で神河町文化財に指定されています。

春日社は春日大社の社領があったので祀られているということです。
17世紀中期の建立で兵庫県文化財に指定されています。

本堂の裏の山に石で組んだ祠がたくさんあります。その中に2体の石仏がおられました。

※ 犬寺の縁起

蘇我入鹿が山背大兄皇子を討伐するとき、牧夫長者は召されて兵を率い飛鳥へ遠征する。
ところが、その留守中に長者の妻と下僕が密通していた。
バレることを恐れた下僕は長者を騙して狩りに誘う。
下僕と一緒に山深く入ったところで、下僕が長者を弓矢で殺そうと狙いをつけた。
長者は死を覚悟し、白・黒二頭の犬に自分の弁当を分け与え、「自分は下僕に騙されて死ぬ。国の人に我が屍を見られるのは恥辱だ。我が屍を食い尽くせ」と語る。
話が終わるやいなや、二頭は下僕に襲いかかった。一頭は下僕のゆみを噛み切り、もう一頭が下僕の喉に噛みつき、下僕を倒した。
長者は屋敷に戻り、「この二頭を我が子とする」と一族の者に告げる。
しかし、犬は長者より先に死んだ。長者は二頭の死を悲しみ、伽藍を建立して冥福を祈った。

犬は人より寿命が短いので、亡くなると悲しいです。しかも、命を救ってくれた犬なので大事にしていたことでしょう。