大念佛寺

大阪・平野市にある大念佛寺は融通念仏宗の総本山です。 融通念仏宗は初耳でしたが、調べてみると古い歴史を持つ宗派でした。 日本最古の念仏道場という本堂は大阪最大の木造建築とのことですが、現在は改修工事が行われていて、見ることはできませんでした。

改修中の本堂

融通念仏宗は浄土宗、浄土真宗、日蓮宗などの鎌倉仏教が生まれる前に、国内で創られた初めての宗派で、他の念仏信仰の先駆けとなりました。

宗祖は聖応大師・良忍上人。平安末期の僧です。

永久5年(1117)、良忍上人の前に阿弥陀如来が現れ、次の教えを授けたと伝えられています。

一人一切人 一切人一人
一行一切行 一切行一行
十界一念 融通念仏
億百万遍 功徳円満

自分が称える念仏が他者へ、他者が称える念仏が自分に。それぞれの念仏が融通しあって功徳を与え、すべての人が救われ浄土へ到達するという考えです。
大治2年(1127)には良忍上人の夢に現れた聖徳太子のお告げにより大念佛寺が創建されました。

境内には江戸時代の建物がたくさん残っています。

経蔵 元禄年間(1688〜1703)の建設
圓通殿(観音堂) 元禄6年(1693)の建立
地蔵堂 弘化元年(1844)の再建
霊明殿 保元元年(1156)の創建

境内にあった看板によると本堂改修の完成予定は令和6年春となっています。 完成後、もう一度来てみたいなと思います。