国宝の寺 太山寺

兵庫にある国宝の一つ、太山寺を訪問しました。
太山寺は藤原鎌足公の子、定恵和尚が開山し、霊亀2年(716)孫の藤原宇合によって創建されたと伝えられています。

太山寺温泉なでしこの湯を超えて、5分ほど走ると太山寺に到着。大きな仁王門があります。

太山寺入口
仁王門

仁王門は国の重要文化財に指定されています。
元は別の場所にあったが、室町時代後期に移築されたと考えられ、創建は鎌倉時代末期と推定されているとのことです。

太山寺珈琲焙煎室の美味しコーヒーを飲んで太山寺までのサイクリングで疲れた体を休めたあと、山門まで少し歩きます。
途中、龍象院成就院、安養院、歓喜院の塔頭があります。

太山寺

山門
太山寺伽藍図

神戸市教育委員会の説明看板には次のように説明されています。

  • 太山寺は、かつて41の小寺院 (塔頭) に囲まれ、七堂伽藍を配した壮大な寺院であった。
  • 現在は本堂を中心に、 阿弥陀堂、三重塔、護摩堂、羅漢堂、釈迦堂、鐘楼、観音堂、仁王門を配していて、周囲には、安養院、歓喜院、成就院、龍象院の4つの塔頭がある。
  • 兵庫県下には、姫路城など国宝建造物が6箇所14棟あるが、神戸市では太山寺本堂が唯一の国宝。
  • 昭和39年に修復された本堂は、鎌倉時代に建てられた13世紀の代表的で大規模な仏堂。
  • 建築様式は折衷様式。
    和様の技法を主としながら唐様の木鼻をつけ、肘木の曲線は東半分が和様、西半分が唐様を用いている。
  • ほぼ正方形の平面を持つ内部空間は、仏像を安置する「内陣」の側背面を「脇陣」 と「後陣」が取り囲み、その前方に礼拝空間である「外 陣」が付くという形式。外陣に太い柱の列が並び、場所ごとに天井のデザインを変えている。
  • この地は伊川の上流部にあたり、渓谷沿いには磨崖仏や奥の院がある。
  • 奥の院に湧いていた阿伽井の水は、目の病に効くと言われていた。現在、太山寺ラジウム温泉が整備されている。
  • 太山寺を囲む標高170m前後の山々は、八葉蓮華と称され、コジイやウバメガシを主体とした照葉樹林に覆われている。面積は約11haあり、約160種類の植物が自生する県下最大の自然林で、県の天然記念物に指定されている。

本堂

山門をくぐるとお大きな本堂が見えます。
本堂内部は広く、大きな柱が並んでいました。

本堂
本堂内部

本堂の建物は、弘安8年(1285)の火災で消失したあと、鎌倉後期の永仁年間(1293〜1299)に再建されたものです。国宝に指定されています。

阿弥陀堂

阿弥陀堂
阿弥陀如来坐像

阿弥陀堂は貞亨5年(1688)に再建されたものです。
阿弥陀如来坐像は鎌倉初期に創作されたもので国の重要文化財に指定されています。宇治の平等院鳳凰堂にある定朝作の阿弥陀如来坐像とほぼ同じ大きさ、様式とのことです。

鐘楼、護摩堂

鐘楼
護摩堂

護摩堂は江戸時代に建立されたと推定され、大黒天、不動明王、毘沙門天が安置されているそうです。

羅漢堂と釈迦堂

羅漢堂
釈迦堂

羅漢堂、釈迦堂ともに江戸時代に建立されました。
羅漢堂には四天王、十六羅漢尊、釈迦の四大弟子像が安置され、天井には草花が描かれているそうです。
釈迦堂には釈迦、文殊、不言の釈迦三尊仏が安置されています。

太子堂

三重塔

江戸時代 貞亨5年(1688)に再建されました。阿弥陀堂が再建されたのと同じ年で、宗教にかける力(資金)が高まった年だったのでしょうか。
兵庫県の文化財に指定されています。

初層内部には大日如来坐像、四天王立像が安置され、天井は極彩色の装飾が施されているそうです。
一度見てみたいです。

奥の院

奥の院へは閼伽井橋を渡っていきます。静かで心が落ち着く感じがしました。

閼伽井橋

稲荷舎、地蔵堂

稲荷舎
地蔵堂

建物も多く、規模も大きいので立派なお寺だと思いました。