奈良県橿原市にあるおふさ観音は正式名称を十無量山観音寺という高野山真言宗のお寺です。
寺の創建には、次のようなエピソードがあります。

慶安3年(1650)、「おふさ」という娘が鯉ヶ淵(こいがふち)と呼ばれる池のそばを歩いていると、白い亀に乗った観音様が現れたと言いました。そのため、池のそばにお堂を建て、観音様をおまつりしました。
この観音様はいろいろな願いを叶えてくださると信仰され、いつしか「おふさ観音」と呼ばれるようになりました。
明治になって、現在の本堂が建てられ、高野山真言宗・別格本山となりました。
ちょうど、夏の「風鈴まつり」が開催されていました。
つり下げられた風鈴の数は2500個以上とのこと。涼しやかな音色が境内に響いていました。

現在の本堂が建っている場所は、かつて「鯉ヶ淵」があったところだそうです。
本堂の裏側の池にはたくさんの亀が泳いでいました。
江戸時代、彼らのご先祖様が大きな白い亀となって、観音様を乗せて「おふさ」さんの前に現れたのですね。
それにしても、白い亀に乗った観音様を見たという「おふさ」さんは、どのような女性だったのでしょうか。

本堂の中にもお参りさせていただきました。
おふさ観音の千手観音様は外からでもお参りできるように北を向いておられます。
北を向く観音様は全国でも珍しく、特に霊験あらたかとのことです。
「生き人形」が展示されており、鎌倉時代の掛け軸も公開されていました。
「生き人形」は幕末から明治時代に作られた、本当の人間であるかのように精緻に作られた人形ということです。たしかに、髪の毛の生え際などが、人間そっくりに感じられました。
また、鎌倉時代の掛け軸の展示は20年ぶりだそうです。掛け軸は「未来:弥勒菩薩」、「過去:薬師如来」、「現在:釈迦如来」の3つあり、今回展示されていたのは「未来」でした。

春と秋はバラまつり、夏は風鈴まつり、10月から6月は提灯まつりと、いろいろな催しが開催されるおふさ観音。「皆さまが、元気になれるお寺をめざして」というスローガンを掲げておられました。


















