京都嵐山・野宮神社

京都嵐山のパワースポット・野宮神社はたくさんの観光客でにぎわっていました。
縁結び、子宝安産の神様としてご利益がある神社で、源氏物語にも登場します。

平安時代、斎宮に選ばれた未婚の皇女が伊勢神宮に奉仕するという制度がありました。
斎宮に選ばれると、皇居内の初斎院で潔斎生活をした後、野宮に移り1年間、潔斎生活をします。
野宮は斎宮のために一時的に造られる社ということですが、黒木の鳥居、柴垣がありました。

野宮神社の入口は黒木鳥居です。昔の野宮が再現されています。
黒木鳥居には樹皮がついたままのクヌギが使われており、日本最古の形式で野宮神社にしかないそうです。

黒木鳥居

御祭神は野宮大神(天照大神)、愛宕大神(鎮火勝運)、白峰弁財天(芸能上達)、白福稲荷大明神(子宝安産、商売繁盛)、大山弁財天(交通安全、財運向上)、野宮大黒天(良縁結婚)です。

願い事がかなうという神石・亀石です。特に恋愛成就にご利益があるとされています。しかも、祈りを込めてなでると1年以内に願いがかなうそうです。

亀石

野宮のことが源氏物語「賢木の巻」に登場します。

嵯峨野の野宮にいる六条御息所のところに光源氏がやってきて、六条御息所と歌を交わします。
六条御息所は光源氏との愛を諦め、娘が斎宮に選ばれたので野宮にいました。

六条御息所は東宮の妻でしたが、夫である東宮に先立たれてしまい、光源氏と関係ができていました。光源氏を愛するも、光源氏の正妻・葵の上との「車争い」で辱めを受け、嫉妬のあまり生き霊・死霊を飛ばします。
そして、葵の上は六条御息所の生霊に取り憑かれて死んでしまう。。。
ちょっと恐ろしい。

「野宮」という謡曲があります。

野宮の旧跡に足を踏み入れた老僧の前に榊(さかき)を持った里女が現れ、毎年、この日に野宮で神事を行う。それは光源氏が六条御息所に会いに来た日だと告げます。
六条御息所のことを知った老僧が御息所の供養を始めると、御息所の亡霊が現れます。
御息所は葵の上との車争いの屈辱を語り、野宮に光源氏が来てくれたことを懐かしみながら舞を舞う。

哀れな六条御息所は成仏したようです。

神社の奥の「じゅうたん苔」はきれいです。
でも、木々に囲まれた感じが、六条御息所が現れて舞を舞ったのはここではないかと思わせる雰囲気がありました。