大塚国際美術館

大塚国際美術館は世界の有名な絵画を実物と同じ大きさの陶板で再現した美術館で、1000点以上の展示があります。陶板とは陶器の板です。
大塚国際美術館は大塚製薬グループが創業75周年事業でオープンしたという美術館です。製薬会社と陶板の関連がわからないところですが、タイルを製造する大塚オーミ陶業という会社があり、そこの技術を持って名画を陶板で再現したということでした。

展示は古代、中世、バロック、近代、現代と時代ごとに展示され、床に描かれた矢印に沿っていけば順を追って名画を観ることができるようになっています。

館内に入って、一番にミケランジェロのシスチーナ大聖堂の天井画を見ました。
大きな部屋一面に描かれた絵。大迫力です。

古代の美術がこれでもかというぐらい続きます。ギリシャ、ローマ時代。どれも素晴らしい。


米津玄師のLemonが展示されていました。ここからNHK紅白歌合戦に出演しました。

Lemon

ローマ時代が終わり、中世キリスト教の時代になると、絵から写実性がなくなります。絵が下手になったように思えます。これが神様の御心にかなうとされたのでしょうか。

ルネッサンスになると、絵が明らかに変わります。

ヴィーナスの誕生
プリマヴェーラ

レオナルド・ダ・ヴィンチの『モナリザ』と『最後の晩餐』です。
『最後の晩餐』は最新の修復したものとそれ以前のものの2つが展示され違いがわかるようになっています。

モナリザ
最後の晩餐

フェルメールもあります。これは『牛乳を注ぐ女』です。
注ぎ口から出るミルクが本当に繊細に再現されています。陶板で再現ということですが、この技術はすごいと思います。

牛乳を注ぐ女

19世紀の絵画になると、色がはっきり明るくなります。
ゴッホが描いた『ひまわり』7点全てが展示されていて、絵のコピーであることを逆に利用した展示がなされています。こういう試みも楽しいと思いました。

ひまわり
ゴッホ自画像

ルノアールの絵は幸せな気分になります。モネが描いた『ラ・ジャポネーズ』があります。これを描いたのは1876年。明治9年です。日本の文化は西洋の画家に大きな影響を与えたのでしょう。

ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会
ラ・ジャポネーズ

クリムトの絵は金色がアクセントになっています。ちょっとエロチックです。ムンクの『叫び』は人気があり、行列ができていました。ただ、『叫び』以外の絵も個性的で、不吉な感じを覚えました。

接吻
叫び

昼過ぎから見始めたのですが、ここでタイムアウト。美術館が閉館する時間になってしまいました。全部を見ようとすると、朝から一日かかるボリュームです。
よくぞ、こんなに集めたと思いました。
初めは単なるコピーだと思っていましたが、7点すべての『ひまわり』が展示されている、修復前後の『最後の晩餐』が展示されている、システィーナ礼拝堂などが部屋ごと再現されているなど、大塚美術館しかできない特徴があって、見ていて楽しい美術館でした。