御船山楽園

武雄温泉にある御船山楽園は武雄鍋島藩主・鍋島茂義公が天保15年(1845)に造った庭園です。御船山のふもと、面積15万坪の広大な池泉回遊式庭園です。

鍋島藩は龍造寺家の重臣であった鍋島直茂が主家である龍造寺家に取ってかわり、肥前領の藩主となってできた藩です。そのため、藩の構造が複雑です。鍋島家の本領以外に3支藩、4つの鍋島庶流家、4つの龍造寺系の自治領がありました。武雄鍋島藩は龍造寺系の自治領の一つです。

鍋島茂義公は西洋の技術に注目し、西洋の文物を収集しました。そして武雄領内の軍政を西洋風に改め、西洋式砲術や科学技術を究めました。この動きは鍋島藩主・鍋島斉正に影響を与えます。幕末の佐賀藩が高度な軍事力、技術力を開発していくきっかけとなりました。

入り口を入るとすぐに鏡池が目に入ります。背景になる御船山がその特徴的な形もあってきれいです。鍋島茂義公もこの風景を見たのでしょうね。

入り口
鏡池と御船山

御船山は今から300万年前に有明海から隆起してできた山で、標高は210m。御船山の名は、神功皇后が新羅征伐からの帰路、船(御船)をつないだことからきています。

御船山

園内は紅葉のさまざまな朱色が美しい。


春は2000本の桜が咲くそうです。
それもすごくきれいでしょう。