高千穂峡は阿蘇山が火山活動したとき、火砕流が五ヶ瀬川に沿って流れ、急激に冷却したことによって形成されました。平均高さ80mの断崖が続いています。
訪問したときは木々が紅葉していてきれいでした。
三大橋
三大橋といって五ヶ瀬川にかかる3つの橋を一度に見るスポットがあります。
大正に作られた石造りの神橋。昭和に作られた鉄筋製の高千穂大橋。平成に作られた神都高千穂大橋。大正、昭和、平成と橋の高さが高くなっていき、建設技術の進歩が伺えます。
もしかしてと思い、昔のアルバムを見てみると、修学旅行で来ていたことが分かりました。まったく覚えていませんでした。
当然、平成の橋は無いので橋は2つです。
槍飛橋
文禄3年(1594)、高千穂・三田井城が延岡領主・高橋元種に攻められ落城。三田井家の家来たちはこの地まで逃げてきた。しかし、橋がないので、やりの柄をついて川を飛び越えた。
ここは五ヶ瀬川の中で最も川幅が狭い。しかし断崖。飛んで見る気には当然なりません。でも、自分を殺しに来る相手に追われ、必死になったのでしょう。
槍の柄を川の手前側についた人は飛べたが、向こう側に着いた人は飛べずに転落したと言います。
鬼八の力石
高千穂神社の神様・三毛入野命(みけいりののみこと)と鬼八が戦ったときに、鬼八が投げ、力自慢をしたと伝わる石で推定200トンの重さがあります。
石にかけられたしめ縄は高千穂峡のの安全と繁栄を願い、年末に張り替えが行われるそうです。
三毛入野命は弟の神武天皇と大和に行かれますが、高千穂に帰って来られ、悪事を働いていた鬼八を退治したとされます。日本書紀では、熊野に向かうときに暴風にあい、「波頭を踏み、常世に行った」とされています。常世とは死後の世界なので、日本書紀では三毛入野命は亡くなられたことになります。兄を崇敬している側にとっては生きて帰ってきてくれる方がいいし、弟の系統に繋がる人にとっては、兄はいないほうが良い、というのがあるような気がしました。
真名井の滝
渓谷に流れ落ちる滝が非常に美しい。写真などで観たことがある滝です。
日本の滝百選に選ばれているそうです。高さは17m。
今回はできなかったのですが、ボートで滝壺まで行くことができます。
おのころ島、おのころ池
おのころ島はイザナギとイザナミが持つ天沼矛(あめのぬぼこ)の先から落ちた滴が固まってできたとされる島です。高千穂神社の春祭ではお神輿が島の周りを3度回って禊が行われます。
玉垂れの滝、月形日形
おのころ池の背後の岩肌から流れ出る湧水が玉垂れの滝です。高さ5m、幅15m。神話で天村雲命という神様が水種を移した天真名井(あめのまない)の水が滝となって流れていると伝えられています。
滝の上部にある半月の形をしたのが月形です。高天原で悪さをしたスサノオが、反省して作ったものと言われています。お姉さんのアマテラスは太陽のように光り輝く神様なので日形、自分は月の半分もないからと三日月を彫ったそうです。
日形は江戸時代にはあったそうですが、今は崩壊してしまいました。
若山牧水歌碑
若山牧水は日向市出身です。
幾山河超えてさり行かば
寂しさのはてなむ国ぞ
今日も旅行く
北原白秋歌碑
北原白秋は昭和16年に高千穂を訪れました。
引く水に麻のをひてて
月待つは
清き河原の天地根本づくりの家
高千穂峡を遊歩道で巡りました。歩いた距離は意外と短かったのですが、見どころは色々とありました。
そして、真名井の滝は非常に美しい。次回は是非、ボートに乗って滝壺まで行きたいと思いました。