古代出雲歴史博物館

出雲神社の隣にある古代出雲歴史博物館へ行きました。
訪問したときは企画展として「伊勢と出雲」が開催されていました。
常設展示としては、次のように分けられます。

  1. ロビーに展示された出雲大社境内から出土した宇豆柱
  2. 「出雲大社と神々の国の祭り」、「出雲風土記の世界」、「青銅器と金色の太刀」の3つのテーマでまとめられた展示室
  3. 「島根の人々の生活と交流」の総合展示室
  4. 神話シアターを放映する神話回廊

宇豆柱、心御柱、古代の出雲大社

ロビーに宇豆柱と心御柱という鎌倉時代の出雲大社を支えていたという巨大な柱が展示されています。平成12~13年の調査によって発掘されたものです。
宇豆柱は社殿の前方に配置され、心御柱は社殿の中央に配置されていました。
ものすごく大きな木です。

宇豆柱
心御柱

平安時代に書かれた「口遊(くちずさみ)」に大きな建物として「雲太(出雲大社)」「和二(東大寺大仏殿)」、「京三(京の大極殿)」と記されています。
当時の大仏殿の高さは15丈だったとされているので、古代の出雲大社は16丈だったと考えられています。
宇豆柱と心御柱の発掘によって、本当にそれだけの高さがあった可能性が高まりました。

5人の建築学者による復元模型です。
16丈(48メートル)の高さがあったと書かれてはいるものの、実際にはそうではなかったのではないかという考えもあり、5パターンの模型が提示されています。

鎌倉時代の出雲大社の復元模型

その隣には平安時代の出雲大社の模型もあります。
それにしても、現代でもこのような建物があれば驚くと思います。それが、平安時代にこれがあったとすると。
こういう建物を作ろうと考えた創造力に感動します。

平安時代の出雲大社の復元模型

青銅器と金色の太刀

荒神谷遺跡、加茂岩倉遺跡から出土された太刀、銅鐸が展示されています。
いずれも国宝に指定されています。

荒神谷遺跡から出土した太刀はその数に圧倒されました。金色に光っている太刀はレプリカですが、銅で鋳造した当初は金色に光っていたはずです。
これだけたくさんの太刀を作る技術力が出雲にはあったのですね。

荒神谷遺跡から出土した太刀

銅鐸の展示もすごいです。
銅鐸の厚みは本当に薄く、鐘として使われた跡があるということでした。
どういうときに鳴らしたのでしょうか。そして、なぜ捨てられてしまったのでしょうか。
謎ですね。

銅鐸

出雲の歴史が展示された古代出雲歴史博物館。
非常に見ごたえのある博物館でした。歴史が好きな人はぜひ立ち寄って見られたらと思います。