伊和神社

宍粟市一宮の伊和神社にお参りしました。
伊和神社は神戸の海神社、たつのの粒坐天照神社とともに播磨三大社の一社です。

伊和神社がある伊和の里は「播磨風土記」では、
石作の首(おびと)が住んでいたので「石作の里」と呼ばれるようになったが、それ以前は伊和の村であったことが記されています。
伊和大神は播磨風土記では中心的な神です。

境内はうっそうとした森になっています。面積は5.2ヘクタール。兵庫県の環境緑地保全地域に指定されています。
境内はうっそうとした森になっています。
面積は5.2ヘクタール。兵庫県の環境緑地保全地域に指定されています。

神社の入口

参道の周りの木はどれも大きく、伊和大神の神域に入った気分になります。
境内に入るとひときわ大きい神木が生えています。スマホの写真では収まりません。

大きなご神木

御祭神は大己貴神(オオナムチノカミ)、少彦名神(スクナヒコナノカミ)、下照姫神(シタテルヒメノカミ)です。
大己貴神と少彦名神はコンビで国作りをした神様です。

神社の由緒として、次のことが説明されています。


御祭神の大己貴神は別名を大名持御魂神、大國主神(オオクニヌシノミコト)。
播磨國開拓の祖神、総鎮護の神。
神社は第十三代成務天皇の年(144)に創建と伝えられている。
産業の神、縁結びの神、病気平癒の神、旅行者の守護神、交通安全の神として崇敬篤き神様である。

西暦144年の創建とは、1900年も前のことですね。すごい歴史があります。

拝殿前には茅の輪くぐりの茅の輪が置かれていました。そばに茅の輪のくぐり方の説明もありました。

拝殿
茅の輪のくぐり方

<茅の輪のくぐり方>
茅の輪の前に立つ。
軽く一礼してくぐり、左に廻り元の位置へ
軽く一礼してくぐり、右に廻り元の位置へ
軽く一礼してくぐり、左に廻り元の位置へ
軽く一礼して、参拝する。

本殿の左右に多くの摂社があります。
御霊殿の御祭神は伊和恒郷命です。伊和族の長として当神社の再建に格別の功があったと伝えられています。
五柱社には天照皇大神、国底立大神、宇賀魂大神、猿田彦大神、須佐之男大神が祀られています。

御霊殿
五柱社

播磨十六郡のうち東八郡は明石、美嚢、加古、印南、加東、加西、飾東、飾西。西八郡は多可・神東・神西・宍粟・揖東・揖西・佐用・赤穂です。
ここに播磨の十六郡が祀られているということは、伊和神社・伊和大神がそれらを統括されていた。つまり、播磨を治めていたということでしょうか。

播磨十六郡神社東八郡
播磨十六郡神社西八郡(工事中)

拝殿後方の階段の下にパワースポットの鶴石が祀られています。

階段の下が鶴石
鶴石

伊和恒郷に託宣があり、驚いて見たら一夜のうちに緑が生い茂り聖地となり、空には鶴の群れが舞っていた。そのうちのおおきい二羽が北を向いて眠っていた。
その跡に神殿を造り奉った。鶴がいた石を鶴石、降臨石という。

神社が北向きなのは、鶴が北向で眠っていたからそうなったと伝えられています。
伊和神社のご祭神は大己貴神、少彦名神、下照姫神の三柱ですが、本当の主役は伊和恒郷のような気がします。

改めて境内の森を歩いてみると、たくさんの石のモニュメントがありました。
乙女の泉は最近作られたのだと思うのですが、それ以外はどれが現在の作で、どれが昔からのものかはよくわかりませんでした。

乙女の泉

境内の深い森、巨木に清々しさ、神々しさを感じることができる神社でした。