有年考古館はもともとは私設の考古学の博物館。考古学博物館を個人で作るとは、考古学にかけた情熱がすごいと思います。
考古館の前にある説明板によると次のように書かれています。
赤穂市立有年考古館(併設 有年民俗資料館)
説明板より
赤穂市立有年考古館は、昭和35年(1950)に 松岡秀夫氏が設立した私立考古館を、赤穂市が寄贈を受け、平成3年(2011)より管理運営を行っているものです。収蔵資料には、旧赤穂郡内から収集された有年考古館収蔵考古資料(赤穂市指定文化財)1250点や、民俗資料などがあります。
考古館の前に古墳、西国街道の道標がありました。
考古館の前の公園のようなところには地域医療に尽力した松岡秀夫と松岡與之助兄弟が顕彰され、考古館を建てた松岡秀夫先生の像が建っている。
医業のかたわら「郷土を知れ!郷土を誇れ!郷土を愛せ!」をスローガンに地域文化の振興に尽力したそうです。
考古館の中は展示物が満載でした。
土器だけでもすごい量です。
時代別に展示してくれているので、時代によって時の形が変わってきているのがわかります。
それにしても、有年でこれだけの土器が発掘されたというのがすごいです。
考古学的なものだけではなく形染め、人形、大津絵留守文様などが展示されていました。
「大津絵」とは、江戸時代に東海道の宿場町であった大津(滋賀県 大津市)で売られていた有名な土産物の絵。御守りや護符として 流行した。 この形紙ではあえて人物を描かないことで、ひねりを しゃれ 加え、洒落た文様になっている。 人物が留守なので、 「留守絵」や「留守文様」と呼ぶ。
大津絵留守文様の説明より
「釣鐘弁慶(健康になり大金を持つ)」、「藤娘(愛らしさと良縁に恵まれる)」、「瓢箪鯰(あらゆることが円満解決)」の3つの文様が組み合わさっています。楽しいデザインでした。
それにしても、「健康になり大金を持つ」、「愛らしさと良縁に恵まれる」、「あらゆることが円満解決」とは。誰もが願うことではないでしょうか。
個人の情熱から開設された有年考古館。展示物の量に圧倒されました。