室津 しきしまの道〜和歌の世界〜

室津の海駅館、民俗館で開催されている『しきしまの道〜和歌の世界〜』を見せていただきました。
室津海駅館、民俗館を訪問するのは2回目です。

室津海駅館は江戸時代 廻船問屋であった豪商「嶋屋」の建物を使って室津の歴史を展示しています。
建物は嶋屋(三木)半四郎が江戸後期に建てたもので、明治6年(1873)に一部増築されたものです。

室津民俗館は屋号「魚屋」という豪商・豊野家の跡地でたつのの民俗を展示しています。
建物は嘉永頃(1848〜54)の建設だそうで、室津は土地が狭いから、座敷が2階に造られています。
調度品などは上質な品があります。

しきしまの道〜和歌の世界〜

日本最古の百人一首かるた。天保11年(1840)の古今和歌六帖標註という古今和歌集の研究書、萬葉集略解という嘉永3年(1791)の万葉集の解釈本など、多くの書物が展示されています。

400年前の日本最古のかるたは金色で、いかにも高級そうです。よくぞ残っていてくれた思いました。

百人一首帳

2階の座敷には山部赤人の歌の掛け軸がかけられています。赤人が伊予を目指して播磨灘を通る途中で詠んだ歌「玉藻刈る 唐荷の島に 島廻(しまみ)する 鵜(う)にしもあれや 家思はざらむ」です。藻振観音堂跡から見る景色がきれいでした。

山陰赤人の掛け軸
藻振観音堂跡から

山部赤人だけではなく、室津を詠んだ多く歌があります。

江戸時代にはすでに万葉集や和歌の解説書・参考書が本になって出版されていました。
書物の多さに驚きます。それだけ需要があったということでしょう。
日本人は古くから和歌が好きで、文学を愛好する人がいたんですね。

百人一首、和歌を説明する多くの書物。日本の文化の高さに改めて感心させられました。