東京町田市の国際版画美術館を訪問しました。
美術館は芹が谷公園内にあります。町田駅から歩いて15分ぐらいのところです。
公園の入り口には「子どものしたいを形にする」と子供が書いた看板が建っていました。ネットで調べると、水遊びができる水路や「水と虹の広場」など、いろいろな遊びが楽しめる公園のようです。
目的の国際版画美術館は公園内の低地にあるようで、緑の木々の中を下っていきました。
公園内には多くの芸術作品が展示され、アートを楽しめる公園でもあるようです。
国際版画美術館のそばには「開かれた宇宙」というモニュメントが展示されていました。
国際版画美術館は1987年にオープンした版画を専門とする美術館です。版画専門の美術館は全国的にもめずらしいそうです。
訪問した日は「版画家たちの世界旅行」という企画展が開催されていました。
版画のイメージは、子供のころ小学校で作った版画、浮世絵ぐらいしかなかったのですが、いろいろな作品が展示されていました。筆で書いたようなものや、本当に精巧・精密なものもありました。
次の作品は「エジプト誌」という書物に掲載された版画です。「エジプト誌」はナポレオンのエジプト遠征の研究記録を集成したもので、ナポレオンの命を受けて刊行されたそうです。
写真かと思うような精巧さです。
この作品はショルジュ・ビゴーという明治初期の日本に滞在したフランス人の作品です。
羽子板をしている情景がとらえられています。羽子板で撃たれた羽が飛んでいます。当時の写真では、羽子板の羽が飛んでいるところをとらえることはできなかったのではないでしょうか。
この作品は色の感じが筆で描いたかのようです。こういう感じに刷るのは相当な技術が必要なんだろうと思います。
大正・昭和期の浮世絵師・川瀬巴水の作品「東京二十景ー滝の川」です。しっとりした情感が感じられ、美しいです。
美術館でいただいた資料によると、版画は大きく分けて4つの形式があるそうです。
- 凸版
木版画（小学校でやっていたやつですね）、リノカット - 凹版
エングレービング、ドライポイント、メゾチント
エッチング、アクアチント、ソフトグランド・エッチング - 平版
リトグラフ - 孔版
ステンシル、スクリーンプリント
この分類で行くと、浮世絵は木版画の一種のようです。
それにしても、いろいろな作品がありました。
版画は作家の思いを表現する技法であり、その表現には無限の可能性があるものでした。自分が持っていた版画のイメージが変わりました。
