品川・蛇窪神社

蛇窪神社にお参りしました。
JR西大井駅から歩いて10分程度のところにあります。
神社のパンフレットには次のような歴史が述べられています。

  • 鎌倉時代の文永8年(1272)、北条重時が5男の時千代にこの地域を開くように諭し、時千代は法圓上人と称して厳正寺を開山した。
  • 元亨2年(1323)、このあたりが大干ばつとなったとき、厳正寺の第二世・法密上人が古池のほとりにある龍神社に雨乞いの断食祈願をしたところ大雨が降った。これに感激した時千代の家臣たちが蛇窪に神社を勧請した。

白蛇については次の話がありました。

  • 鎌倉時代、社殿の左横の洗い場に白蛇が住んでいた。
  • いつの間にか洗い場がなくなったので、白蛇は戸越公園の池に住むようになった。
  • あるとき、土地の旧家森谷友吉氏の夢に白蛇が現れて「もとの住みかに帰してほしい」と訴えた。
  • この話が宮司に伝わり、弁財天社を建立して白蛇をお迎えした。

この話だと、白蛇との縁はそんなに古い話でもなさそうに感じます。
では、なぜ蛇窪かということで、地名で調べてみました。

蛇窪は村の名前で、上蛇窪村、下蛇窪村があったそうです。それが昭和7年に荏原区ができたときに、「蛇窪」はイメージが悪いということで上神明村、下神明村に改称されました。さらに昭和16年の町名改正で豊町、二葉町に変わったという変遷がありました。
また東急大井町線の戸越公園駅の元の名前は蛇窪駅でした。
蛇窪という地名はこの地域を流れていた河川の蛇行から来ているようです。
蛇窪神社の正式名は天祖神社で、令和元年(2019)より蛇窪神社が通称表記とされています。
鳥居の脇に上神明天祖神社という看板がありましたが、地名の変遷の歴史があるのですね。
いずれにしても蛇窪神社は御鎮座700年という、地域に根ざした大変古い神社です。

境内に入ってすぐ左手には法密稲荷社があります。雨乞い断食祈願が成就した証を表して111本の提灯を点灯しているそうです。

蛇窪神社の御祭神は天照大神。社殿の前に茅の輪が置かれていました。

社殿の横には夫婦のシロヘビ「撫で白蛇」があります。大きいほうが女性で、パンフレットには「脱皮する蛇のように再生・気力の復活・開運を願いましょう」と書かれていました。
柔和なお顔をされています。

蛇窪龍神社です。これは大干ばつのときの雨乞い祈願で雨を降らせてくれた龍神社からきているのでしょう。白い龍は迫力のあるお顔で、祠の横の白蛇も怒った感じで、悪い気持ちを持っていたら噛まれてしまいそうです。
蛇窪の守護神だそうです。

奥に進むと白蛇弁財天社です。これが夢に現れた白蛇をお祭りする社のようです。
ここでは銭回し・銭洗いで金運アップもお祈りできます。

鳥居から社殿のあたりはよくある神社のようでしたが、この一角はまさに白蛇の神社にふさわしいものがありました。
最後に「運玉投げ」をやってみました。
3個の小さな玉を投げて満願岩の穴に入ると願いが叶う、運がつくというものです。

願いを込めて投げました。すると、3つとも穴に入りました。奇蹟です!
きっと、よいことが起こるでしょう。