標高180mの諏訪山にご鎮座されている諏訪神社。
ご祭神は諏訪大神(建御名方大神、比売神)。仁徳天皇の皇后八田皇女の離宮の神様として信州諏訪大社より奉斎されました。
仁徳天皇は4世紀末から5世紀前半に実在したと考えられているので、諏訪神社は約1600年前に創建されたと考えられます。
諏訪山は諏訪神社から取られた名で、江戸時代はこのあたりの中宮村など4か村の土地だったそうですが、明治に入り官地となり、明治6年(1873)には諏訪神社の境内が公園になりました。
諏訪山への登り口に明治36年(1903)に建てられた「諏訪山遊園」の碑がありました。
境内への参道は急な坂道です。
社殿は寿永3年(1184)に兵火にかかり、正応3年(1290)に再建されたとあります。
源平の戦いで燃やされてしまったようです。
稲荷神社の前の壁に中国語らしき額が掲げられています。
神社の説明板に「神戸在住の外国人、ことに中国人華僑7000人の大半が当社を崇敬参拝する」と書かれていました。
明治になって外国人居留地が建設されると、長崎に住んでいた清国人も神戸に移り住みました。清国人たちは長崎にあった諏訪神社を信仰していましたが、神戸の諏訪山にも諏訪神社があることを知って、参詣し始めたそうです。
諏訪山には神社だけではなく、勝海舟の「海軍営の碑」、日本天文遺産に認定された「金星観測記念碑」などがありました。
金星観測記念碑は、明治7年(1874)に金星の太陽面通過を観測したことを記念するものです。明治になってすぐの頃で、フランス人が観測をしています。
※金星の太陽面通過:太陽が出ている昼間に金星が太陽と地球の間に入り込み、金星の影が太陽面を横切る現象。
前回の金星の太陽面通過は2012年6月5日。次回は2117年12月10日だそうです。