須磨・綱敷天満宮

神戸市須磨の綱敷天満宮におまいりしました。

綱敷天満宮のご祭神は菅原道真公。
学業成就にご利益のある神社です。

正月をだいぶ過ぎていたので、混雑はありませんでした。

綱敷天満宮の由緒は次のような話です。

延喜元年(901)、大宰府に左遷になった菅原道真公が嵐のため須磨に上陸された際に、須磨の漁師たちが網の綱を丸めて円座を作り、道真公にお座りいただくことがあった。
そして、道真公が亡くなられた76年後の天元2年(979)に祠を建てたのが綱敷天満宮の創建である。

綱敷の円座

貴人である道真公を少しでも快適にお過ごしいただこうという気持ちが、綱の座布団になったのでしょう。
この円座に座り、精神を統一して道真公を偲ぶとご加護が得られるそうです。

境内には子供時代(5歳)の道真公と母の母子像が建っています。家族の絆、家族愛について再認識してほしいとの思いから製作されました。

道真公の母が作ったとされる歌が添えられています。
『ひさかたの 月の桂も 折るばかり 家の風をも 吹かせてしがな』
”官吏登用試験に合格して、家の名を高めて欲しい” という意味だそうです。教育ママ的な歌だと思いますが、道真公は見事、その期待に応えました。

菅原道真母
5歳の道真公

他にもいろいろなものがあります。

”ナセばナル、ナサねばナラぬ”とも言い、ナスは「成す」と語呂が同じ。「なすの腰掛け」に願いをかけて座れば、努力はむくわれ、願いは叶えられるそうです。

願いを叶える「なすの腰掛け」

サーフボードを抱える幼少時代の道真公は「波乗り祈願像」です。
成功を収めるために、うまく時流の波に乗ることを祈願するものとか。
その心は、自分本位な行動をとるのではなく、時を読み、流れに逆らわず、自らの平衡感覚によって状況に適応していくことが大事ということでした。
たしかにそうですが・・・

波乗り祈願像

かわいらしい三重塔は「鎮座千年の記念塔」です。昭和52年(1977)に建てられました。創建が976年なので、1000年を超える歴史があります。

鎮座千年の記念塔

神社の入口に、この神社は25霊社の一つという看板があります。
25霊社を調べたら、幕末の探検家で北海道の名付け親である松浦武四郎が全国の天満宮から由緒の深い25社を選んだもので、「菅公聖蹟二十五拝」というそうです。松浦武四郎は25社に神鏡を奉納し石碑を建てています。
須磨の綱敷天満宮は第14番目の社で、石碑は阪神淡路大震災で倒壊してしまったそうです。

菅公聖蹟二十五拝

1. 菅原院天満宮神社(京都市)、2. 錦天満宮(京都市)、3. 菅大臣神社(京都市)、4. 吉祥院天満宮(京都市)、5. 長岡天満宮(京都府長岡京市)、6. 與喜天満神社(奈良県桜井市)、7. 威徳天満宮(奈良県吉野郡)、8. 道明寺天満宮(藤井寺市)、9. 佐太天神宮(大阪府守口市)、10. 大阪天満宮(大阪市)、11. 露天神社(大阪市)、12. 福島天満宮(大阪市)、13. 長洲天満宮(兵庫県尼崎市)、14. 綱敷天満宮(神戸市須磨)、15. 天神社(兵庫県明石市)、16. 曽根天満宮(兵庫県高砂市)、17. 大塩天満宮(兵庫県姫路市)、18. 滝宮天満宮(香川県綾歌郡)、19. 御袖天満宮(広島県尾道市)、20. 厳島神社天神社(広島県佐伯郡宮島町)、21. 防府天満宮(山口県防府市)22. 綱敷天満宮(福岡県福岡市)、23. 太宰府天満宮(福岡県太宰府市)、24. 上宮天満宮(大阪府高槻市)、25. 北野天満宮(京都市)

数多くの天神さまの中でも、綱敷天満宮は格式のある神社であり、おまいりしても楽しい神社でした。