道修町の神農さん・少彦名神社

少彦名神社

大阪道修町(どしょうまち)の少彦名神社におまいりしました。
少彦名命は播磨では大国主命とコンビで国造りをなされた神様として多くの神社でおまつりされ、ちょっと変な我慢比べなど楽しい逸話を残しておられる神様です。
ここでは薬の神様・薬祖神としておまつりされています。

少彦名神社は江戸時代中期に始まります。

道修町には明暦4年(1658)頃から薬種商が集まっており、享保7年(1722)に幕府より道修町薬種仲買仲間として公認された。
この仲間が生命に関する薬を神のご加護のもとに間違いなく取り扱えるよう、中国の薬祖神・神農氏と共に、安永9年(1780)京都・五条天神から少彦名命をお招きして仲間会所(現在地)にお祀りした。

神社前の看板より

少彦名神社には古代中国で農耕と医療を人々に教えたとされる神農氏もおまつりされ、神農さんとも呼ばれています。

社殿に向かう通路の横には少彦名命にお護りされたというたくさんの薬が並んでいます。
名前を知っている薬や使ったことがある薬もありました。

少彦名命に護られた薬

拝殿はにぎやかです。ビルの谷間でちょっと暗い所を、提灯の明かりが良い雰囲気をだしていました。

拝殿

拝殿中央の黄色いのは神虎です。
神虎(張子の虎)の説明がありました。

文政5年(1822)に 大坂でコレラが流行した時、道修町の薬種仲間が疫病除けの薬として「虎頭殺鬼雄黄圓(ことうさっきうおうえん)」という丸薬をつくり、合わせて「神虎」のお守りをつくって神前で祈願した後、施与したことに由来するといわれています。
虎は古来より、邪を祓い鬼を退治するといわれており、大坂の郷土玩具である張子細工で虎をつくりお守りとしたのです。
現在では万病平癒・無病息災のお守りとされています。

神社の看板より

張子の虎は単なるおもちゃと思っていたのですが、こういういわれがあったのですね。

少彦名神社の周りは薬の会社がいっぱい立ち並んでいます。武田薬品工業、塩野義製薬などの本社もあるそうです。この町には江戸時代から続く薬屋の歴史があるのですね。
病気やケガから守ってくれる薬。いつまでも少彦名命のご加護があることをお祈りします。