樋口一葉 その文学と生涯

「樋口一葉 その文学と生涯」が姫路文学館で開催されています。

樋口一葉の小説は一冊も読んだことはないのですが、名前は知っています。
本を読むきっかけになれば、と思い文学館を訪れました。

姫路文学館はお城の北西、男山にあります。

ここは常設展の展示物が楽しい。
播磨風土記、姫路の歴史、姫路城にまつわる伝説など。
展示のしかたに工夫があって、楽しみながら勉強になってしまいます。

今回は特別展として「樋口一葉 その文学と生涯」が開催されました。

樋口一葉は24歳という若さで亡くなりました。
結核でした。

愛用の小袖、文机、写真、一葉が書いた原稿、エピソードが展示されています。

貧しい中、若くして死んだということもあって、おとなしい人と思っていたが、実際にはかなり勝ち気な女性だったようです。

樋口一葉の略歴

11歳

私立の小学校を首席で卒業。
しかし母の「女に学問は不要」という意見で進級せず。
日記に「死ぬばかり、悲しかりし」と書いた。
14歳

歌塾「萩の舎」に通い始める。
そのとき、周りのお嬢様は金持ちできれいな着物を着ていたが、自分は親のお古。
だけど親が一生懸命繕ってくれた。それが一番素晴らしい服だったと歌に詠んだ。
16歳 家督を継ぐ。
17歳父が事業に失敗。その父が亡くなり、一葉が一家の大黒柱となる。
19歳
「萩の舎」の姉弟子が小説で大金を得たことに刺激され、作家を志す。
半井桃水(とうすい)を訪問。小説の指導を受けるとともに、桃水に恋をする。
20歳
処女作『闇桜』を執筆。
桃水との関係が「萩の舎」で噂になり、桃水と別れる。
21歳荒物・駄菓子屋を開く。が、うまくいかず。
22歳

相場師になろうとし、借金の申し込みに行ったが、妾になることを求められる。
遊郭の近くに引っ越し、遊女の生き様を知る。
12月に『大つごもり』を発表。
24歳

死去
亡くなるまでが奇跡の14ヶ月と言われ、『たけくらべ』、『にごりえ』、『十三夜』
などの傑作を出した。

日本で初めての女性の職業小説家。
病気にならなければ、どんな作家になって、どんな作品を残しただろうか。
まずは一葉が書いた本を読んでみよう。