野中の清水

サイクリングで性海寺を訪問した帰り、県道378号線を加古川に向かって走っているときに「野中の清水」という看板を見つけました。

「野中の清水 100m」と書かれているだけなので、どういうものかわかりませんでしたが、きれいな水が出るのだろうと思い、距離も100mと近かったので寄ってみました。

場所は「野中の清水市民公園」でした。

公園内は、意外と言っては失礼ですが、趣があり、きれいでした。
そこに野中の清水を説明した看板があります。

ここの説明看板からいろいろなことがわかりました。

  • 野中の清水は、多くの和歌に詠まれ、謡曲や狂言にも取り上げられてきた。
  • 播磨守護の赤松則房の定めた「播磨十水」の一つ。
  • 荒廃していた清水を、元禄3年(1690) 明石藩が、浚渫し、制札を立てて、汚すことを 禁じ、藩主は茶の湯に用いた。
  • 同じ頃、大和屋忠左衛門という酒造家が、酒造の水に用い、正徳2年(1712)に「野中清水醸造記」ができた。
  • 昔は清水の周り一帯は松林で、祖父松、祖母松、夜啼松という名木があった。
  • 夜啼松の樹皮を削り煎じて、幼児に飲ませると、夜啼きが止むという伝説もあった。

鹿威しがあって、コン、コンと心地よい音を奏でています。

清水は池の中で湧き出ているようです。

残念ながら、この水を飲むことはできませんが、手を水に浸すと冷たくて、気持ちが良かった。


池も非常に気持がいいです。大きな鯉がたくさん泳いでいました。

※ 野中の清水の歌には次のようなものがあります。

いにしへの野中のし水ぬるけれどもとの心をしる人ぞくむ

泳るぞと見しより汲まぬ いなみ野の野中の水を埋ずむ白雪

立つ止まる人もなけれど いなみ野の野中の清水 月は澄みけり

※ 播磨十水
播磨十水は赤松則房ではなく赤松義村が選んだという説もあります。

小野江清水、岡田苔清水(姫路市飾東地域)、篠井乃清水(たつの市御津町黒崎)、花垣清水、小柳清水(たつの市揖西町清水)、御所清水(姫路市田寺梅ケ谷町)、野中清水(神戸市西区岩岡町野中)、井ノ口清水、落葉清水(多可郡多可町加美区奥荒田)、桜井清水(揖保郡太子町黒岡)