たつの・井関三神社

たつの市中垣内に鎮座なさっている井関三神社の由緒はものすごく古い。神社のパンフレットには次のように記されています。

  • 崇神天皇2年(紀元前96!)天照大神のお告げによる崇神天皇の詔により四道将軍の丹波道主命が天照國照彦火明櫛玉饒速日大神さまを亀山(きのやま)にお祀り申し上げた。
    ※天照國照彦火明櫛玉饒速日大神様 あまてるくにてるひこ ほあかりくしたま にぎはやひのみこと
  • 南北朝時代に播磨の国の守護赤松氏により亀山に城山城が築城されると、天照國照彦火明櫛玉饒速日大神特典天照國照彦さまには井関の本宮の地にお遷り願い、武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ)さまを城の守護神の奥宮としてお祀りした。
  • 嘉吉元年(1441)の嘉吉の乱で社殿を失ったが、足利将軍の命により、その年のうちに復興された。
  • 弘治元年(1555)中垣内の庄屋 八瀬氏によって瀬織津姫大神(せおりつひめのおおかみ)さまが勧請された。
  • 寛文12年(1672)脇坂康政公が信州から龍野に入府されたとき、信州飯田の諏訪神社から建御名方大神(たけみなかたのおおかみ)さまが勧請された。
  • これにより、天照國照彦火明櫛玉饒速日大神様、瀬織津姫大神、建御名方大神の三柱の大神さまをもって井関三社大明神天照神社と申し上げるようになった。

紀元前の創建です。1700年かけて三柱の神様がお祀りされました。
瀬織津姫大神を勧請した八瀬氏は江戸時代も大庄屋の役を務めておられます。江戸時代の家屋が残っています。

神社の前を流れる中垣内川に石橋が架かっています。

橋を渡ると神社です。

境内に「令和4年10月式年大祭」と書かれたのぼりが立てられています。
10年毎に行われる式年祭が来年10月に行われるのでしょうか。
式年祭では神宮寺創建当時(白鳳時代・7世紀後半〜8世紀初め)の三尊仏が開帳されるそうです。見てみたいです。

たくさんの絵馬が奉納されています。安政6年の銘がある古い絵馬もあります。
天岩戸の絵、武将が戦っている絵とか、色々な絵があります。昔の人は絵を見たら、絵に書かれた物語を思い出せたのでしょうか。

算術の絵馬がありました。
鈴村三郎右衛門吉照門人と書かれています。
幾何学の問題のようです。
一番右のものは、図をみると問題はわかりそうですが、解く自信はありません。
数学を楽しんでいたのですね。

境内には摂社として天満神社、荒神社、稲荷神社、金刀比羅宮がお祀りされています。

天満神社
荒神社と稲荷神社

天満神社は菅原道真公、荒神社は素戔嗚命(すさのおのみこと)、稲荷神社は宇気持神(うけもちのかみ)、金刀比羅宮は大物主命がご祭神です。

金刀比羅宮

井関三神社では10月の例祭の他に、さいれん坊主と呼ばれる祭りが行われます。8月14日は井関三神社で、翌15日には恩徳寺境内で行われるます。嘉吉の乱によって城山城で滅亡した赤松一族の霊を弔うための盆供養だそうです。
敗れ去った敗者を慰める行事がずっと続いているというのは、日本人らしい感じがします。