神戸・相楽園

紅葉の相楽園を訪問しました。

相楽園は神戸市中央区にある庭園で、明治時代に造営されました。
相楽園の名は「易経」から取られたもので、「和悦相楽、わしてよろこびあいたのしむ」を意味しています。

相楽園は神戸市長であった小寺謙吉氏の先代小寺泰次郎氏の私邸でした。
小寺泰次郎氏は三田藩の武士で、明治維新後は三田藩主の九鬼隆義氏が起こした「志摩三商会」に入社、その後不動産業と金融業を手掛け神戸の発展に寄与しました。

総ケヤキづくりの門

樹齢300年の蘇鉄(ソテツ)です。鹿児島から取り寄せたもので、ここ相楽園は「蘇鉄園」と呼ばれていたそうです。

ソテツ

大きなクスノキは永禄10年(1567)、荒木村重が花隈城の鬼門除けとして植えたと伝えられています。
樹齢は450年。このクスノキは、織田信長に対する荒木村重の謀反、花隈城での戦いを見ています。

大クスノキ

園内には小寺家が建築した建物が残っています。それが旧小寺家厩舎です。建築されたのは明治43年(1910)頃。
洋風のデザインになっています。

旧小寺家厩舎

旧小寺家厩舎の隣は旧ハッサム邸。英国人の貿易商のハッサム氏が神戸市北野の建てたもので、昭和38年(1963)に相楽園に移築されました。
阪神淡路大震災では、煙突が屋根、2階の床を突き抜けて1階まで落下するという被害を受けました。地震の激しさを伝えるために、落下した煙突が保存、展示されています

旧ハッサム邸
落下した煙突

木戸を抜けて池に出ます。
この池が周りの紅葉ですごくきれいでした。

池の向こうには六甲の山が見えます。
ちょうどこの日、相楽園内で結婚式が行われていました。神戸を代表する日本庭園に佇む迎賓館THE SOURAKUENということで、評価は高いようです。

池とその向こうのビル街
白い建物は浣心亭

姫路藩主が河川での遊覧に使っていた「川御座船」の屋形が展示されています。
この船が建造されたのは1682〜1704年の間と推定されています。当時の姫路藩主は本多忠国公でした。

船屋形が見える
船屋形

神戸の中心街にこのような素晴らしい庭園があるとは知りませんでした。
今回、相楽園を知ることができてよかったと思います。