三日月・済露山高蔵寺

佐用町三日月にある高蔵寺にお参りさせていただきました。
高蔵寺は播磨西国三十三箇所霊場の第10番霊場であり、播磨・美作七福神の布袋尊のお寺です。
三日月・乃井野陣屋を築いた森家の菩提所でもあります。

Googleマップを頼りに高蔵寺を目指しました。県道433号から山の方へ入っていきます。三日月駅からここまでは自転車で楽々でした。

高蔵寺の案内

ところが、山に入ったとたん、かなりの傾斜。自転車で登ることはギブアップ。押して歩きました。高蔵寺の標高は約190m。やっとの思いで高蔵寺に到着しました。

山門へ続く石段のわきには大きな木がそびえています。「高蔵寺のシイ林」として佐用町の指定文化財となっています。

高蔵寺は神亀2年(725)、行基菩薩によって開かれたと伝えられています。

済露山のあたりに瑞雲がたなびき、七色の虹が峰をめぐり、そのかがやきは遠く播磨淡路二州の海を照らした。夜は波が炎のように燃えた。朝廷より勅を賜った行基菩薩はこの山に籠り、観音像の彫刻を発願して、一刀ごとに三拝し、一千日で尊像を彫り上げたといわれている。

播磨西国三十三カ寺巡礼 藤木明子著より

山門の下の池には祠があり、「善女龍王宮 龍神池」という碑が建っています。
これは、高蔵寺中興の仁可上人が京で行われた仁和寺の集まりの際、大切な印を忘れ、一心に祈願したところ、龍がその印を届けてくれたという伝説にちなんでいます。

善女龍王宮 龍神池
本堂

「播磨西国三十三カ寺巡礼」によると本尊の秘仏は17年毎の開扉だそうです。

太子堂

明治時代の終わりごろまでは三重塔もあったとか。森家の庇護もあり、高蔵寺は大きな寺だったようです。行基菩薩や龍神以外にもいろいろエピソードがありそうです。
高蔵寺は標高が高いこともあって、すがすがしい気持ちになった寺でした。