玉丘古墳に行く途中、熊野神社(姫路市飾東町)に立ち寄りました。
国道372号線から大きな鳥居が見える神社です。
御祭神は伊奘諾尊(いざなぎのみこと)、伊弉冊尊(いざなみのみこと)、速玉男命(はやたまをのみこと)、事解男命(ことさかのおのみこと)です。
木々に囲まれ神秘的な感じがします。いかにも神様がいそうな気がしました。
社殿はすごく古そうな建物です。特別なものはなく、清々しい感じを受けました。
熊野神社の創建年は不詳ですが、「明治のかたりべ集」という昔話を収録した本には、次のような話がありました。
あるとき紀伊の熊野から神霊を持って一人の御師が天川の一ツ橋のところにさしかかりました。 やれやれと一服していると村人が通りかかったので「ここは何というところか?」とたずねた 村人は「ここは播磨の飾東郡小原村といいますと」と答えた。 御師は「私は京の八瀬の熊野神社にゆかりのあるものです。この地はたいへん豊かですが、私の持っている御分霊をこの地に鎮座し、お祀り申し上げるともっと栄えるでしょう。」と言いました。 村人はさっそく名主のところに案内し、村役が相談したところ、村の東の天川の向山にお祀りすることが決まったので、宮の普請にかかった。 お社がなかばできあがった頃、隣村の村民たち多数が激怒して、手に鍬、鎌、棒を持って、お社を取り壊しに来た。 もともとこの地は隣村のものだったので無理もなかったのだが、お社に攻め込み、御神霊に襲いかかった瞬間、振りかざしていた手がワナワナ震えだし、足は立ちすくみ、身動きができなくなってしまった。 隣村のものだけでなく、これを見た小原の村民も驚き、神のお怒りに触れたのだと、みんな神の御前にひれ伏してお祈りした。 このことがあってから、宮山は小原村が隣村から譲り受け、熊野神社とお呼びして末長くお祀りしている。
普通の神社かと思っていましたが、こういうストーリーがあるとは思いもよりませんでした。
大きな木々に囲まれていて、神域というものを感じる神社でした。