西条・御建神社

東広島市、西条駅のすぐ近くにある御建神社。
慶雲3年(706)に疫病が流行した時、スサノオノミコトに祈りを捧げたら、疫病が治まったことから、社を建ててお祀りしたのが由緒と伝えられています。

当時の天皇は文武天皇。安芸国で飢饉や疫病が流行したことが朝廷に報告されています。
安芸国の国府は安芸郡府中町に、国分寺が西条にありました。国分寺の跡地は現在、安芸国分寺歴史公園になってます。
706年に創建されたということなので、1300年を超える長い歴史がある神社です。

参道沿いに桜が咲いていた

神社の手前には東広島市の観光マスコット「ききます のん太大明神」がおられました。
「のんた」は「呑んた」でしょうか。

のんた大明神

のんた大明神はお酒の失敗談、恋愛相談、願い事、ひとり言など、なんでも聞いてくださる神様です。聞いてもらうだけでも、心のもやもやが晴れることがあるので、頼りになる神様ですね。

旦過寺という寺にいたお灸の名人で、お灸のお礼にもらった金で酒を飲むのが大好きだったという狸の和尚さんの話から「のんた」が生まれたようです。

西条は酒の街。酒都西条です。酒にまつわる話がたくさんありそうです。
拝殿の大きな注連縄の両脇には奉納された酒樽が積まれています。

注連縄が大きい

境内には松尾神社が御鎮座されています。

松尾神社

松尾神社のご祭神は酒の神様、大山咋神(おおやまいくのかみ)。
京都嵐山の松尾大社から分霊を受け、西条酒造協会が建立しました(1926年)。
新酒仕込みのシーズンには酒造祈願祭がおこなわれます。

神社前の公園には木村静彦氏の像が建てられています。

木村静彦像

木村静彦氏は西条の酒の発展と品質向上に尽力された方でした。
・賀茂鶴酒造株式会社を設立。それまで酒造りは個人経営だったが会社組織に変えた。
・軟水醸造法を世に広めた。
・醸造技術者養成所として西條酒造学校を設立した。
・県醸造試験場の清酒支場という近代清酒作りの研究所を設立した。
木村氏などの努力によって、西条の酒は灘や伏見の酒に匹敵する酒として全国に普及していったということでした。

また、西条は教育でもユニークな活動がなされた町でした。教育碑という石碑が建てられています。檜高憲三氏を顕彰した石碑です。

教育碑

檜高憲三氏は26歳で広島県西条尋常高等小学校の校長に就任され、「独創教育」を実践したということで、それに共鳴した東郷平八郎元帥が「独創」という文字を揮毫した石碑です。
西条小学校校訓は「何事も自ら進んで、正しく、強く、優しく、永くやります」
こういう気持ちを忘れずにいることは大切ですね。

春の御建神社は桜が咲いてとてもきれいでした。