一乗寺・狸谷山不動院

京都一乗寺の狸谷山不動院におまいりしました。
平安時代、桓武天皇の勅願により、不動尊が安置されたのが始まりという、長い歴史がある寺です。
江戸時代の正徳5年(1715)木食上人正禅朋厚は狸谷山が入山し、3年間修業。そして亨保(1718)、当院が再興されました。

一乗寺下り松からの坂を上っていき、15分ほどで寺の入口に到着します。

たくさんの狸

そこには大きな狸谷山不動院の石碑とたくさんの狸の置物が並んでいます。
そして、石段が目に入ります。その段数は250段。10階建てのビルを階段で上る感じです。
ここまでの坂もきつかったが、この階段も・・・

250段の階段

石段を上がり始めてすぐのところに朱色の鳥居が続きます。
ここで修業をされた木食正禅朋厚によって奉安された白龍弁財天です。

階段はこのあたりで99段。まだ99/250。。。
更に階段が続きます。

まだ99段
階段はまだまだ続く

ハアハアしながら階段を上ると、清水の舞台と同じ懸崖造りの本殿が見えてきました。
迫力があってステキです。

懸崖造りの本殿

でも,階段はさらに続きます。
本堂まで登って250段。やった~
酒を持った狸が迎えてくれました。
1月の「初不動」で「ガン封じの笹酒」が無料で接待されます。護摩の火で温められた青竹の筒の笹酒を、青竹の杯で飲むそうです。しかも、飲み放題らしいです。
狸の酒はこの笹酒でしょうか。

迎えてくれた狸

お参りした日は狸谷不動明王の特別参拝ができました。
本堂へ入る料金(入山料)は500円でした。

木食上人が修業したという洞窟が本堂の内陣となっていて、そこに狸谷不動明王が安置されています。

本堂

不動明王と対面させていただきました。
暗い本堂の中、怖い顔をされた不動明王。
迫力がありました。
一人ぼっちで不動明王の前に立たされ「お前は正しく生きているのか」と、このお顔で尋ねられたら、嘘などはつけない、心が見透かされる思いがしました。

境内にはいろいろなものがありました。

宮本武蔵 修業の滝

宮本武蔵が一乗寺下り松で吉岡一門と決闘したとき、この滝に打たれ、極意を感得したといいます。
敵への憎悪ではなく、己の恐怖心、煩悩に打ち勝ったことを悟り、吉岡一門との決闘に向かっていきました。

宮本武蔵 修業の滝

トイレの神様・うすさま明王

うすさま明王は烈火をもって不浄を浄化する明王で、トイレの神様でした。
植村花菜さんの「トイレの神様」という歌がありますが、本当に神様がいるとは知りませんでした。

トイレの神様・うすさま明王

奥の院

瓜生山の山頂に奥の院があり、登山道がありました。
けっこう道が荒れていそうで、「60代以上の方は安易に行かないでください」という注意書きもありました。
今回は時間もなく、奥の院へは行けませんでした。

奥の院への登山道

狸谷山不動院はいろいろなエピソードがある寺でした。
狸(タヌキ)は「他抜き」ということで、商人、芸能人、スポーツ選手の信仰が厚いということです。
石段の上がり口に阪神タイガースの優勝記念碑が建っていました。
吉田義男監督のときの優勝なので1985年の優勝記念です。
阪神が最期に優勝したのは、岡田監督で優勝した2005年。それから17年間優勝していません。
今年はどうでしょうか?

阪神タイガースの優勝記念碑