灘のけんか祭り

東山屋台

10月の14日、15日に灘のけんか祭りが行われました。
14日の宵宮では東山、木場、松原、八家、妻鹿、宇佐崎、中村の旧七ヵ村の屋台が松原八幡神社に集まり、宮の前の広場や宮の中で練り合わせを行います。
15日の本宮では松原八幡神社前と御旅所であるお旅山の広畠で、屋台練りとけんか祭りの名前の由来となった3台の神輿合わせが行われます。

今年は14、15日がちょうど土曜日と日曜日だったので10万人を超す観客が集まりました。
お旅山の真向かいにも山があり、それぞれの山の段々畑に桟敷が敷かれて、広畠を見下ろす観客席、スタジアムのようになっています。
それにしても、すごい人です。

お旅山の観客

最初に登場するのは松原村の檀尻です。軽快な太鼓の音とともに広畠に入ってきます。
松原村の檀尻は露払いの役目です。しかし、露払いと言っても非常に荒っぽい。
檀尻を持ち上げ、それを横倒しに地面にたたきつけます。
それでも檀尻に乗った太鼓係は「トン ト ト ト ト トン」と太鼓をたたき続けています。
よく脳震盪を起こさないなと感心します。

松原村の露払い檀尻

檀尻が終わり、松原八幡神社の神官の渡御のあと、いよいよ神輿合わせが始まります。

神輿合わせは練番の村が行うことになっていて、旧七ヵ村が順繰りに練番を務めます。
今年は木場村でした。

神輿合わせは大迫力です。
神輿を壊せば壊すほど神様はお喜びになり、大漁・豊作になるとの言い伝えから、神輿をぶつけ合って破壊していきます。
ぶつかった神輿はどちらに倒れるかわかりません。神輿がごろごろ転がると歓声と悲鳴が起こります。
大きな事故が起こらないのが不思議なくらいです。

神輿合わせ

神輿のあとは屋台練りが始まります。
2台または3台の屋台が横に並んで屋台練りを競います。
これは力比べ。先に屋台を落とすと負けです。
屋台が押されたり押し返したり、屋台が落ちそうになって傾くと、歓声や「あ~~」という声が起こります。みんな自分の地域の屋台を応援しているようです。
熱戦の末、最後まで落とさなかった屋台は勝利の練りを披露します。
観客も大きな拍手でたたえます。

妻鹿、中村、松原の屋台練り

屋台練りが終わると、屋台は山上の御旅所まで登っていきます。
標高は100mぐらいですが、2トン近い屋台です。肩に担いで登るのはたいへんです。

お旅山を登る八家屋台

灘のけんか祭り。
松原八幡神社にお旅山と見どころの多い祭りです。人気があるのもうなずけます。
そして、なにより強烈なエネルギーを感じる祭りでした。