姫路・望景亭

姫路文学館は姫路城の北西、男山山麓に建てられた姫路の文学、歴史を学べる資料館です。有名な建築家、安藤忠雄氏が設計。平成3年(1991)に開館しました。

北館と南館に分かれていて、北館1階では播磨風土記による姫路の由来、歴史を示す展示物があり楽しい。
南館では「司馬遼太郎記念室」、カフェなどがあります。

建物は水を使った回廊のような形式で、いい雰囲気を味わえます。

望景亭

北館を出たところに古い建屋があります。
建物の名前は望景亭。興味がわいて中に入りました。

望景亭は市内の実業家濱本八治郎氏の別邸として大正5年から昭和4年にかけて建設され、昭和30〜50年代には結婚式場などを含む男山市民寮としても親しまれた建物の主要部分です。

入り口の案内看板

元は1万5千坪の敷地に13棟の建物が建てられていて、「男山御殿」と呼ばれていたようです。濱本氏の私邸ですが、皇族方が宿泊するなど、姫路の迎賓館のような役目もしました。
現在、望景亭は座敷、茶室、渡り廊下、棟門で構成されますが、宮様はこの望景亭になっている建物に宿泊されたそうです。

本当に上質です。
食事会ができそうな部屋、和室、茶室がある。
この日は全く誰もいなくて、静かで、部屋にそそがれる日射しが暖かかった。

昭和33年(1958)に姫路市に買収され、市民の更生施設として「男山市民寮」になりました。
さらには結構式場としても利用されました。
昭和36年には年間470組が式を挙げられ、和室で記念写真を撮ったそうです。
大安は年間60日程度なので、一日に約7組の挙式が行われたのでしょうか。

当初、建物群は老朽化のため全面取り壊しが決まっていましたが、安藤忠雄氏が和室を残すべきだと提案してくれて、望景亭として残りました。

近代的な姫路文学館の建物と和風の望景亭。全く違った建物同士ですが、どちらもすばらしい。
さらに、400年前の建築物、姫路城も見えます。