蛇穴神社(じゃけつじんじゃ)は境内が水路に囲まれています。姫路市の神社では珍しい形だと思います。
御祭神は市杵島姫神(いちきしまひめのかみ)で、創建年は不詳です。
神社の由来は以下のように説明されています
社がいつ創建されたのか、その年代は詳かでありません。
ただ語り伝えによれば、その昔市川が東西に分流していたころ、この地は中洲になっていて樹木生い茂り、蛇も住みついていて、鄉の衆は「蛇穴の森」と呼びならわして、祠もしつらえてありました。
蛇穴神社の石碑より
あるとき難病を煩ずらった里人が困り果ててこの治癒を祈願したのであります。
ところがある夜、安芸国の厳島神社の神が枕頭にあらわれ、「蛇穴の森」に社殿を建立すれば病は平癒するであろうとの託宣を受けたので、郷の人々と相計り社殿を造営すると、その難病も全治したのであります。
のち現在にいたるまで、この地に守り神として鎮座なされているのであります。
近くを流れる恒屋川から水路が引き込まれています。
拝殿内部には絵馬が掲げられ、エイの絵馬もあります。赤鱏は市杵島姫神(いちきしまひめのかみ)の使いだそうです。
当社の祭神である市杵嶋姫命は筑前国にいます宗像神社(福岡県宗像郡元官幣大社)の本社に相当する辺津宮の祭神でもあってその御名の示すように女神であり、かつまた海の神でもあります。
アカエ(関西では赤鯖をこのように言います)はこの神の使いとされています。
このアカエは毒痔疾をはじめ難病、悪疫の守り神として広く神仰されていまして 、アカエを断食し、アカエの絵馬を奉納して祈願をすると霊験あらたかで難病治癒するといわれ、特に痔疾にあらたかであります。
更に皮膚病についてもナマズの絵馬を奉納して平癒祈願されています。
地の神に対する信仰は生活に結びついた悩み事、願い事を理底ぬきで託せるので、親しみがあって今日まで多くの方々に崇められているのであります。
蛇穴神社の石碑より
いろいろないわれ、言い伝えがあっておもしろいです。