法道仙人のゆるぎ岩

加西市畑町にある法道仙人のゆるぎ岩を見に行きました。

ゆるぎ岩のある愛宕山、ふもとの高峰神社、河上神社、遍路の小道などが「畑町 歴史の森」として整備されています。

高峰神社

まずは高峯神社にお参りしました。
ご祭神は国常立神、伊邪那岐神、伊邪那美神、 天照大神、月讀神、稚産靈神。


「加西のふるさと散歩」という本によると、昔は山の頂上にあって、たいへん大きな神社だったそうです。

また、猪が高峰神社の祭神の使いで、神様はいつも猪に乗っておられるという言い伝えのために、畑町の高峰神社の氏子は猪肉を食べなかったとか。当然、今ではそんなことはないと思います。

社殿
古そうな絵馬

社殿は古そうで、歴史の長さが感じられます。

高峰神社にお参りしたあと、拝殿裏から「水面のこみち」を通って、ゆるぎ岩、河上神社の方へ移動です。

ただ、この道は池から少し離れているのと、ダムの工事中?のため、道のそばの水路に水が流れていなかったので、水面を感じることはできませんでした。

河上神社

河上神社へ続く参道に鮮やかな朱色の鳥居が建っています。

朱色の鳥居
5分ほど歩きます

高い木立に囲まれた参道を5分ほど歩くと、朱色の鳥居が連なる社殿が現れます。

神社の前にある看板に河上大神のことが書かれていました。

河上大神は衆生の願いは凡てかなえて下さるが、特に夜尿症・冷え性・婦人病・勉学について御神力を授け下さるので、これらの願いをされる方は大神にお願いをして新しい鈴の下に布を奉納して古い布を一條戴き、洗濯して病気の方は腹に巻き、勉学の方は枕のカバーにして大神の御神力をお授かり下さい。
男は白布、女は、赤布を奉納して下さい。

神社前の看板より

川上神社には大きな岩が2つあります。一つは御神体の大岩。もう一つは鏡岩という変わった岩です。

御神体の岩は拝殿より大きい巨石です。山の斜面に露出した巨石をお祭りした神社もありますが、ここでは地面にポコっとある大きな石が御神体になっています。

御神体の岩
拝殿より大きい

河上神社のもう一つの岩が鏡岩です。岩の肌にキラキラしたツブがたくさんあります。
光を反射しているところから鏡岩と名付けられたようです。

「鏡岩の覗き方」という看板があって、顔を岩に近づけ、手で光が入らないようにしてみたのですが、何も写っては見えませんでした。何度かトライしたのですが。

ゆるぎ岩

参道を戻り、ゆるぎ岩の方へ向かいました。ゆるぎ岩は愛宕山の中腹にあります。
道端に大きな岩が2つあります。
ゆるぎ岩はしめ縄のある方。岩は道の端にあるので、すぐにも崩れ落ちそうです。

高さ4m、最大周囲が8mの巨石。
3億年前の古生代に海底に蓄積した生物岩ということです。
※生物岩:生物によって作られた堆積岩。石灰岩,チャート,石炭など

この岩には法道仙人にまつわる話があります。

法道仙人が高峰山に登り、お祈りしたところ「村人守護のためイザナギ、イザナミの命をまつるべし」という神のお告げを聞きます。
法道仙人はお宮をつくり、悪人がいたら、心を入れ替えさせて善人にしてやろうと考えます。
そして、善人か悪人かを見分けるために、岩に呪文を掛け、村人に告げます。
「善人なら、この大岩を揺らすことができるが、悪人なら、この岩はびくともしない。この岩を押して動かないときは自分に邪念があるから罪悪を懺悔し、正直慈善の人に立ち返りなさい」
村人がかわるがわる岩を押してみたら、仙人の言うとおりだったので、霊石としてあがめるようになった。

岩を力いっぱい押しましたが、ピクリともしませんでした。

愛宕山

ゆるぎ岩まで登ったので、そのまま山頂まで登ってみました。

案内看板では山頂まで10分程度と書かれていて、登山道は整備されて歩きやすかったのですが、結構ハードでした。

遠くには白い雪を被った山も見えました。

この畑町の歴史の杜には色々な史跡、伝説があって、興味深いところでした。